自分の声…
どんな声か?
「自分の声」というものに
こだわりがありますと、
自分の声と出会えない。
そう思うんです。
身体の動きでも同じですけど、
スポーツなどで「自分のフォーム」
へのこだわり。
身体表現での
自分の動きへのこだわり。
そのこだわりが、もしかしたら、
本当の自分の動きとの出会いを
邪魔しているかもしれない。
声のワークショップを始めてから
数年が経ちます。
幸いなことに、
私のワークショップでは
歌いませんし、
朗読・セリフなど言葉を発しませんので、
自分の声にこだわりようがない。
ただ、気持ち良い響きを探る。
そうしますと、
参加者の皆さんは、例外なく
自分の声に驚くんですね。
「自分の声じゃないみたい…」
初めて出会う、自分の声ですね。
無理なくエネルギーを通せますと、
身体が楽器となります。
自分がどんな楽器か?
によって、声は決まってきます。
誰かの声に憧れて
近づこうとするのではない、
鳴るようにしか鳴らない
自分の音ですね。
もちろん、身体のゆるみ具合が深まったりすれば、
より良い響きにはなりますけどね。
(実は私自身、この罠にはまっていたので、よく分かる 笑)
(能の謡いを習い始めて、能っぽくしようとして
地声系に、拭いきれない違和感が…)
(裏声は完全に自分の声なんです。
自分でいうのもアレですけど、美しい 笑)
(そこで一旦、能っぽさから離れて
ただ、地声の響きだけにフォーカス。)
(その上で、能の「抑え」を研究。)
(響かせ方に新しい発見が。一段階アップ!)
(ああ、これが本当の自分の地声の響きだと、納得。)
(あとは、ただどういう内面で声を発するか?だけ)
大事なことは
エネルギーの通り。
声のワークでは多くの方が
「身体が筒のようになる!」
と、これまた初めての感覚を
口にされます。
もちろん、私は
筒のようにしましょう
とは、ひと言もいいません。
する…ではなく、なる。
これが大事。
自分の声や自分の動きに
こだわりがある場合、
「する」をしがち。
「なる」になって、
初めて本当の自分に出会える。
きょうのワークショップでも
「自分の声」に出会ったみなさん、
顔が輝いていました。