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自分の「出来ない」を覚え続けられること、
それが、私の特徴。
出来るようになると、
それが当たり前になってしまう。
そして、
出来ているときというのは、
どこにも違和感がないので、
体に何が起きているのか、
分からない。
天才というのは、
この「出来ている」しか、
経験してこなかった人ですね。
指導を受けるなど
後天的に出来るようになった人も、
そのほとんどが、
出来ない感覚を忘れ、
出来ている状態が、
当たり前になってしまっています。
いずれも、
「出来ない」が
体に残っていないわけです。
ですから、
そういった人の指導は
分かりづらい。
「出来ている」感覚の話だけで、
「出来ない」と「出来る」の
橋渡し
になっていないから。
一見、橋渡し的であっても、
自分が教えられた方法、言葉を
そのまま伝えるだけ。
自分がその方法、言葉で出来るようになったから、
みんな出来るようになるはず、
そう思ってしまうんですね。
それで、出来ない人は、
センスがないということになるわけです。
私は、決して器用なタイプではありません。
習得するのに時間がかかります。
マイムでも、日本舞踊でも
いい先生に恵まれたと感謝の気持ちで一杯！
という一方で、
やはり、先生が、
本当は何を言おうとしているのか？
本当は何をやらせようとしているのか？
常に、考え、工夫してきました。
時には、否定もしました。
ですから、
身についたときには、
なぜ出来なかったか？
出来るには何が必要か？
なぜ、出来る必要があるのか？
ということが、
よく分かっている状態なんです。
そして、自分自身のさらなる更新のための工夫が、
出来ない人を、より早く出来るようにするための
方法や言葉につながっているんです。
それも、私の場合、
ただ「立つ」「歩く」といったことも、
常に更新を図っているので、
当たり前にならないわけです。
冒頭で言いましたように、
人は出来てしまうと当たり前になってしまいます。
すると、
人に伝える方法・言葉が失われていきます。
あるいは、
指導者の中には、
そもそも他人を育てる必要を感じていない人もいます。
潜在的にでも、そう思っていれば、
人に伝える方法・言葉について考える力が育ちませんから、
誰に対しても、
ずっと同じ言葉で、
同じ方法となります。
さて、
出来るようになるということは、
自分の体、意識にとって
当たり前、意識にのぼらないようにすることです。
ですが、
それでもなお、自分の体に
何が起きているのかに意識を向け続けるかどうか？
スランプというのも、
結局は、この意識があるかないか？で、
脱出が全く変わってきます。
ないがために、脱出が困難になるのです。
私のワークに参加される方のほとんどが、
「長年の疑問が解けた」
となります。
それは、
私の身体能力が、際立って高いからではありません。
私の解剖学的知識が、際立って高いからではありません。
私が
「出来ない」を知っているからです。
「出来ない」を知っていることと、
「本当に出来る」が両立しているからです。
私のワークはそのほとんどが、
他で見たり聞いたりしたことのないものばかりで、
にもかかわらず、
あまりの有効性に、多くの方が驚かれるのは、
こういったことが、背景にあるからなんですね。
世に多くある練習方法や言葉で
身につく人は、それでいいんです。
それでは身につかず、苦労している人や、
さらなる上を目指す人には、
大きな助けになると思います。
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