12/15,16
ワルシャワ公演にて
クリスマスの定番曲である
山下達郎の「クリスマスイブ」が聞こえてきて、
ちょっと合わせて歌ってみたとき、
はっ!と気がついたんです。
それは・・・
山下達郎の声のカッコよさの秘密…
能の謡と同じ発声方法にあり!
と思い至り、ひとり大興奮(笑)
井上陽水も同じ。
ただ、鼻にもっていく度合いが大きい。
ユーミンも、うすく謡の発声法が入っている。
しっかりした声を出すときには、それなりに入ってくる。
これ、SNSで発信しましたところ、
シンガーソングライターで、
ボーカルレッスンもされている方から、
コメントが。
(この方、角松敏生に見出されてメジャーデビューしている方。)
山下達郎は
歌い回しを譜面にすると、すっごい微妙な休符が多数で…
と。
そんな譜面的な凄さもあるようなんですが、
もしかしたら発声法が自然に生み出すのかもしれないと思ったんです。
ですから、
休符であっても、休符ではなく、
実は聞こえないような音が鳴っている(鳴らしている)のかもと。
この方のコメントからしますと、
なんとなく聞いているだけでは、
休符に思えないということでしょう。
つまりそれは、
譜面にしたときには休符であっても、
体には聞こえてくるということですものね。
ところで、
私が能の謡を学び始めたのは、
以前からずっと、あの不思議な声に興味があったんですけど、
声のワークを行なうようになってからも、
いっこうに分かる気がしなかったからなんです。
思うところがあり、9ヶ月経ったところで、
自主稽古で探求しているのですが、
その一環として、
まだ誰にも明かしていないのですが、
ゴスペルを学びに行き始めたんです。
まだ3ヶ月くらいですけど。
ゴスペルでは非常に高い音が求められるんです。
私は完全にバスの音域で低音はいいのですが、
求められるのはテナー(テノール)。
地声での高音なんですね。
そのことに気がつくまで、
ひと月くらいかかったのですが(笑)
気がついてからは、
高音を出せるように試行錯誤。
で、2ヶ月ほどして
ようやく2度上げることに成功。
そして、
その高音と、謡で試行錯誤してきたものと、
元々の身体に響かせる発声技術、
これらを融合させたところ、
2度上がった高音も、
ただの高音ではなく、
低音が混じったといいますか、
抑えの効いた高音になったんですね。
「あぁ、これが能の発声だ」
と、謡を習い始めて1年半(後半9ヶ月は自主稽古)、
ようやく辿り着いた!と思えたんです。
そんなとき、冒頭の出来事があったわけです。
山下達郎の声は、能の謡の
幽玄さと通じると思うんです。
寂しさと優美さと、
魂の源のような世界に通じる、
あるいはそこからやってくる声。
これは、低音が効かせられる男性でないと、難しい声。
その上での高音だから。
突き抜ける音と、抑える音の融合。
山下達郎の声はマネしても、難しいと思うのですが、
それは、能の謡の発声だから。
ただの高音ではないから。
抑えが効かないと、軽くなってしまう。
能の謡の共通性…
なんだか世紀の大発見をしたような気分で、
興奮は冷め止まらないのです!!