オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

螺旋的上達では到達できない!?

謡・歌を始めたことで、
発声の探求が進んでいます。

同じ身体を使うということでも、
発声は声帯のコントロールがあるために、
また違った苦労と面白さがあります。

私がとにかく出来るようになりたいのは、
能の謡の声の獲得です。

そのために、
ゴスペルに取り組んでいる面があるんです。



で、色々と手探り状態ながら、

この数日で、
大きな壁を越えた…

とは、いかないまでも、
壁の上端に手がかかったという
手応えを得ることができました。


それは
これまでの感覚とは
全く異なる、
ある一線を越えたと思う一方で、
これまでの感覚で間違いはなかった
とも思えるものです。



どいうことかと言いますと、

今まで試してきた
いくつかの発声技法…
良さそうと思っては、
少し経つと、
いやこれでは足りないと、
また新しい技法を見つけるといったことを
繰り返してきた結果、

それらが全て
もう一段、高いところで
一つにまとまってきたんです。



ここから、感じるのは、
いわゆる身体の使い方でも
同じことが言えるということです。



良い身体の使い方を考えたときに、

「a」「b」「c」

と、例えば、3つの大切な要素があるとします。


「呼吸」「体幹」「リラックス」

と、こんな感じで。




発声での、私の個人的なものとしては

「副鼻腔共鳴」「喉の開き」「口腔操作」

でしょうか。



発声のこれらの要素は、
謡・歌を始める前から、出来ていました。

(だからこそ、声のワークも好評だったわけです。)


ところが、節や言葉をつけてとなりますと、
出しやすい音域を越えたところでは、
思ったようにはいかないんですね。

(私の場合、地声の高音。)


それで、
「a」「b」「c」3つの要素を
(実際にはこの限りではありませんが)

さらに精度や強度を高めるようにしていったわけです。


そうして、少しずつ、
ときに、ぐん!と
進歩してくれていました。


けれど、やはり、
決定的な感じではなかったんです。


もしかしたら、
これまで取り組んできたものが、
実は間違いではなかったのか?
という疑いも生まれます。



これは小手先なのか?
と。



本当は、全く違う使い方をしないと
理想的な状態にはならないのでは?
と。



そんなとき、

もうやりきっていたと思っていた
「a」の要素を
さらに磨こうとしていると、

ふと、
「c」の要素が手助け・後押しを
してくれる感触を得たんですね。

これまでの「c」とは
少し違う形で。



そのことによって、

これは!?

という大きな手応えが得られたんです。



さらに、
その翌日でしたけれど、
そこから、
もしかしたら?と、
「b」の要素も取り込んでみたんです。

今までの「b」とは若干違うものなのですが、
ベースは同じです。



これまでも「a」「b」「c」は
一体化して働かせていたのですが、


この思いつきが

もう一段高いレベル、

思ってもみなかった形での一体化

実現してくれたんです。



同じであるのに、
全く違う感じです。


大興奮です!(笑)





「a」「b」「c」
それぞれの取り組みは間違ってはいなかったわけです。

きちんと
螺旋的に進歩していたといえます。


けれど、最後の飛躍が必要だったんです。



そのまま螺旋的な上昇では、

次元上昇はできないんですね。


本当の上達は、ある時点でジャンプできるかどうかのようです。




いわゆる天才や才能のある人は

初めから、あるいは無自覚に

このジャンプ後の世界にいる人たちです。



ですから、
私たちのような凡人の世界、
つまり、ジャンプ前の世界のことなどは、
あることすら、知らなかったりするんです。

もちろん、
そんな世界の中を想像するのも、難しいわけです。




「a」「b」「c」という要素は
そんな天才たちが、
なんとか、こちらの世界に降りようとして
絞り出した要素なんです。


間違ってはいないのですが、

正解でもないのです。

(凡人の世界にいては、決して理解できないからです。)




では、私たちにできることは何か?


それは
その「a」「b」「c」と分類された要素に
より高い精度・強度を求めて、
試行錯誤をしつつも、

ジャンプの必要性を、頭の片隅にでも置いておくことです。



そうでなければ、

永遠に

「a」もやってます、「b」もやってます、「c」もやってます、

で終わってしまいます。



けれど、その「a」は
ジャンプ後の世界の「a」ではないんです。


ジャンプ後の世界には、
「a」も「b」も「c」も
ないんです。



私の考えでは、

このジャンプ前後の世界の橋渡しには、


骨格・筋肉など解剖学の知識と、
動作感覚を呼び起こす感性が必要です。


知識は、内向きの閉じた目線です。
感性は、外へ開かれた目線です。


内向きとは、自分へのこだわりです。
外とは、自分を解放することです。



ジャンプしましょう!





次回 アートマイム公演 特別企画 !!

6月30日(日)14~17時(予定) @シアターX(カイ)


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【ワークショップ情報】



4月30日 

『エネルギーと脱力 〜響声を活用して〜
https://www.facebook.com/events/508619003002631/



5月11日 

アゴと重心、そして脱力





5月12日 

『重心移動と肩甲骨
https://www.facebook.com/events/515879355604083/






5月19日  

『声(音)を身体に響かせる

https://www.facebook.com/events/454791765259025/



5月25日 

エネルギーと脱力 〜響声を活用して〜
https://www.facebook.com/events/590185904782831/



5月26日 

『パンチ・突き・手刀〜力まない腕・肩〜







【レッスン情報】


Body,Mind&Spirit 

本当の自分の身体は天才だ!







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