ストレッチ
筋トレ
脱力
どの程度、役に立つのでしょうか？
先日のクラスで、
“膝の力を抜いた歩き方”
を稽古してもらいました。
みんな、とても苦労していました。
脚の力を抜く稽古をしてから
臨んでもらったのですが、
全く役に立っていません。
脱力単体の稽古では
十分に出来ていても、
別の動きになると、機能しなくなるんですね。
特に、
「歩く」という、
連動が必要な全身での動きとなりますと、
これまでの自分の動作が抜けないのです。
本人たちは、抜いているつもりでも、
抜けない。
だからこそ、厄介なわけですね。
どのタイミングで、
どれくらい脱力して、
次にどの筋肉を
働かせるのか？
一応は伝えるものの、
当たり前ですが、
頭で考えても、
上手くいくわけがありませんよね。
よくある、指導での間違いです。
解剖学的知識で動作を捉えることは、
大切ですけれど、
それをそのまま伝えるだけで、
できるようになれば、苦労しません。
…ということで、
私も苦心しました（笑）
このときは、
スリッパを履いてもらうことで、
感覚を掴んでもらうことに
成功しました。
（よかった～！）
そうして、
全員が最初とは
全く異なる質の動き・歩き方が
できるようになりました。
そこで、
自分ではなく、誰が歩いているような感じがするか
聞いてみますと、
「平安の姫」
とか
「モデル」
といった応えが。
行なったのは、
ただ「膝の力を抜いた歩き方」です。
姿勢のことは、
一言も触れていません。
もちろん、気分のことも。
けれど、
みんな無理のない、
とても綺麗な姿勢です。
ごく自然に
背筋がスッと伸びて、
脚も美しく、
どこにもスキがありません。
非常に優雅で、
静かな歩きになっていました。
気取っているのとは、
全く違います。
皇族的な気品
を感じさせるものです。
だからこそ、
自然と
「平安の姫」
という
感想が出たのですね。
と、歩き方のレッスンのお話を
してきましたが、
冒頭の
「ストレッチ、筋トレ、脱力が
どの程度、役に立つのか？」
です。
この歩き方ができるようになった後、
本人たちにも伝えたのですが、
単体でどれだけ、
ストレッチ、筋トレ、脱力を行なっても、
このような歩き方は、
決して生まれないのです。
この歩き方、
姿勢が良くなったのは、
体幹の筋力がアップしたからではありませんよね？
元々持っている筋力です。
脚が美しくなったのは、
ストレッチのおかげでしょうか？
この稽古の最中、
ストレッチは一切行なっていません。
良い動きとは
全身が連動した動きです。
その動きの中での
各部位の働かせ方は、
単体での訓練をどれだけ行なっても、
見つけられないのです。
脚の脱力が単体で上手でも、
歩くときの脚の力みには、
気がつけないんですね。
ある生徒さんが言いました。
「できる前でも、力は抜けていると思っていた。」
「できた後だと、まだ抜ける余地があったんだと思った。」
もちろん、
ストレッチ、筋トレ、脱力によって
単体、部位ごとの質が上がっていきますと、
こうした連動性の動作の質が
さらに上がります。
無駄ではありません。
重要なことは、
全身の連動した動作を
見据えているかどうかです。
特に、
「歩く」というのは、
私たちが体を動かす上で、
もっとも重要な、ベースとなる動きです。
どれだけ、
ストレッチ、筋トレ、脱力を行なっても、
歩くときに、膝の力が抜けないようであれば、
意味がないと
私は思うのです。
ストレッチ、筋トレ、脱力を
有用なものにすることも、
無駄にすることも、
できます。
せっかくですから、
有用なものにしませんか？
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