今回は、走りに関するお話です。
ランニングをされる方は多いですよね。
夕方や夜の街中、走っている方々をよく見かけます。
「原始歩き同好会」で月に一度行く、代々木公園では
ランニングの集団レッスンも、よく見ます。
ところで、「走り方」という言葉を聞きますと、
正しいフォームについて、
考えてしまうと思うのですが、
もう少し違う角度で、
見てみたいと思います。
一般的にいう「走る」は
前方向へのジャンプの連続です。
片脚ジャンプを交互に、
タメを作らずに素早く行なっているんですね。
爆発力が最大限に活きる走り方です。
前方向とはいえジャンプですから、
腕の振りを大きく使った方が、
大きく跳べます。
走るときの腕振りの意味ですね。
ところが、
腕を振らずに
重心移動の力をメインにした走り方があります。
「飛脚片走り」です。
私の造語ですから、
耳にされたことはないと思いますが、
飛脚のナンバ走りは、
すごく速かったんだというお話を
聞いたことのある方は多いのではないでしょうか？
飛脚の走り方の実際のところは
分かりません。
けれど、私のワークショップ
『重心移動と肩甲骨』では、
みなさん、飛脚だなと深く納得して下さる
特殊な走り方があるんです。
それが、「飛脚片走り」でして、
ワークショップでは、みなさん
あまりの体の軽さに驚き
楽しすぎて、
いくらでも勝手に走り回ってしまう
毎回そんな状態になる走り方なんです。
腕は全く振りません。
けれど、結構なスピードです。
一般的な走りも、重心移動が大事とは言いますが、
ジャンプで体を運ぶわけですから、
腕をしっかり振る必要があります。
何をもって重心移動というのか？
ですね。
さて、もう一つ、走り方。
これは、「膝抜き走法」
とでもいうべきもので、
茂みの中に隠れたまま、
サササーっと走り抜けていく感じの走り方です。
低い姿勢のまま、頭が静かで、
腕振りもなく、上半身はフリーに走れるので、
バスケットボールにすごく役立ちそうな、
方向転換・切り替えのスムーズさ、スピーディーさに
長けています。
武術をされている方は、
この「膝抜き走法」がしっくりくると思います。
和の身体が、
そのまま活かされる感じですね。
走るのが好きではない方は
「飛脚片走り」だと楽しくなってしまうでしょう。
一般的な走り方は、
一般的という割に、意外に難しいものです。
西洋の身体的な身体の使い方だからかもしれません。
（だからこそ、私は
まず最初に、良い感覚を得るのが良いと思うのです。）
昨日は
一般的な走りのワークショップでした。
みなさん、初めて体感する軽やかさだったようです。
嬉そうな明るい顔が、全てを物語っていました。
次回は、
「飛脚片走り」のワークショップです。
（ワークショップ名は『重心移動と肩甲骨』です。）
走り方…ランニングフォームの正しさとは
別のあり方に出会って、
身体の自由を味わいませんか？
『月刊秘伝』5月号（発売中）
