身体の使い方が良くなったら、
身体表現やスポーツなど
そのパフォーマンスが上がると思いますよね？
けれど、実際には
そんなことはありません。
「ありません」というのは
大袈裟ですけれど、
勘違いをされている方がいらっしゃるかもしれないので、
敢えて、こんな言い方をしました。
バレエ、ダンス、スポーツ…
そのパフォーマンスを高めるために
何かエクササイズや他分野のことを
学ばれている方は
多くいらっしゃると思います。
それらが、実際にどれくらい
役立っているのか？
まずは、私自身のお話。
私は身体の使い方の一環として
声のワーク
を長年続けています。
レッスンでは
１回のワークで初心者の方でも
驚くような声が出るようになり、
プロの方でも、自分の声に驚いてしまうことが
ほとんどというものです。
日本では知らない人はいないであろう
有名ミュージカル劇団の俳優の方が
２回目には仲間を連れて来て下さったこともあります。
先日のレッスンでも、発声のロングトーン、
息を最後まで出し切る（絞り出す）ことにトライしてもらった際、
私の見本に、声楽家の方が「美しい !!!」って、すごく驚かれて…
それだけの内容ながら、
私は歌に関しては、
全くの素人です。
これは、謙虚というものではなく、
本当に、ただただ素人なんです。
つまり、本当に残念ながら、
歌唱技術やリズム感が素人。
もちろん、歌での表現力も。
（我ながら、恥ずかしいくらいです…苦笑）
このように
発声の良さは、あくまで発声の良さであって、
歌が上手くなるには、
その他の様々な訓練が必要なんです。
ですから、
身体の使い方を高めても、
それをバレエ、ダンス、スポーツの
パフォーマンスアップに繋げるには、
その身体の使い方が、
どこでどう活かせるのか？
特に、流れの中で
活かせるかどうか？
意識的に取り組む必要があるんです。
そうしませんと、
実践の場から離れたところでの
声の良さ、身体の使い方の良さで
終わってしまいますよね。
なにしろ、
発声に問題があっても
歌の上手い人はいますし、
身体の使い方が悪くても
それぞれの分野で活躍している人はいますよね。
では、発声自体の質の向上、
身体の使い方の向上は
必要無いのか？といいますと、
全くもって、そんなことはありません。
やはり、土台です。
土台の質の良さ、キャパシティーの広さは
目に見えて分かるパフォーマンス部分の質を
高いレベルに引き上げてくれます。
ケガなどなく、長くにわたって
活動できることにもつながります。
あるいは、ステージアップといった
上の次元でのパフォーマンスも見えてくるでしょう。
アートマイム／オーガニックマイムの表現力にしましても、
この土台の質如何です。
土台は極めて重要です。
質の悪い土台の上では、全て、
砂上の楼閣です。
一時の人気、一時の活躍で終わってしまいかねません。
だからこそ、
くれぐれも注意していただきたいのです。
エクササイズや他分野の学びは
あくまで土台の質の向上のためであり、
その土台の質の向上を
特定のパフォーマンスのための技術に
意識的に繋げていきませんと、
エクササイズや他分野のことが
上手くなるだけになってしまうのです。
極端なことをいいますと、
エクササイズや他分野のことが
上手くなる必要はないんです。
なぜなら、それらは
その特定の場での
上手さに過ぎないからです。
理想的なのは、
バレエ、ダンス、スポーツのパフォーマンスを
上げる工夫をしていったら、
エクササイズや他分野のことのレベルが上がっていた、
という関係です。
これは、日常生活の動作でも同じこと。
何か素敵なエクササイズをしたら、
日常動作の質が上がるわけではありません。
日常をエクササイズの実践の場とし、
レッスン、練習などは、
情報収集や正誤確認の場とするようなことが必要なんです。
これが、私が日頃お話している
体を壊してでもやりたい趣味として
エクササイズ自体を目的としているのか？
それとも、
別の目的を達成するための
手段としてのエクササイズなのか？
ということになります。
どちらが良い悪いではなく、
自分が何をしているのか？の
自覚が大事というお話です。
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