オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

土台の練習って役立つ??

2つの考え方があります。

きちんと「立つ」「歩く」が出来ないのに、
「走る」練習をどうやってするのか?
「走る」練習をする前に、「立つ」「歩く」練習をしましょう。

そういう考えですね。
もっともだと思います。


けれど、一方で、こんな風にも考えるんです。

「走る」楽しさ、喜びを味わう。
その上で、「立つ」「歩く」に目を向ける。

どう思われますでしょうか?


このことは、「走り」だけでなく、
例えば、ボイストレーニングの世界でも同じように思います。

きちんと「立つ」「呼吸」が出来れば、
「発声」が良くなるという考え。

一方の、

「発声」の可能性、喜びを見出しつつ、
「立つ」「呼吸」に目を向ける。


お話、「走る」に戻りますね。

「立つ」「歩く」は、欠かせない重要なことではあるけれど、
「走る」には、当然「立つ」「歩く」に無い要素があります。

ですから、その要素の質を上げられれば、
「立つ」「歩く」の質が悪くても、
「走る」の質は上がる。


あるいは、こう考えることもできると思うんです。

むしろ、こちらの考え方をしてみたい。


「走る」を「立つ」「歩く」や「ジャンプする」といった
要素に分解して考えるのではなく、
「走る」全体をひとつの分解できないものとして、考える。


ですから、重要なのは、

「走る」の最中の、

そこに内在している「立つ」「歩く」の質。


普段の「立つ」「歩く」の質がそれほどでなくても、
「走る」の最中に、その要素としての「立つ」「歩く」の質が
上がっていればいいわけです。


「立つ」「歩く」の質を上げたからといって、
必ずしも、「走る」の質が上がるとは限らない。

スピードや強度などが、全く違ってきますから、
「立つ」「歩く」の質をキープするのは、
相当に難しいことなんです。


これは、決して机上の空論ではありません。

小学生のごく普通の子に、早く走るためのレッスンとして、
「立つ」「歩く」を行なうのは、結構な無理がありますから、
今お話した、走りの質だけに目を向けたレッスンを行ないます。

難しいことはせず、感覚が目覚めるレッスン。

「走り」が、はっきりと変わります。


また、少し「発声」のお話になりますけれど、

快適な良い「発声」をしている最中は、
本人も気がつかないうちに、
普段とは違う、
自然と理想的な身体の使い方になっていたりするんです。

私の声のレッスンに何度も参加されている女性ですが、
最初、ほとんど声を出せなかったところから始め、
今はとても素敵な声で、歌(?)われます。

彼女は、アレクサンダー・テクニークをずっと学ばれていて、
そこの先生に、
「あなたは歌っているとき、自然と良い身体になっている。」
と言われると。


こういった例は、他にもありまして、
一見、土台に見えるものを良くすることが、
その先の質を上げることに、つながるように思えるのですが、
最初から「その先のこと」の質を上げることで、
そこに内在している「土台」の質を上げることができるんですね。


その「土台」を単独で取り出したときには、
質は低いままということはあります。
それは、その「土台」が、
「何かの土台」という、
「何か」の一つの要素のまま
だからです。


「立つ」「歩く」といったものが、「土台」という、
「何か」の一つの要素としてではなく、
「立つ」ことの全体、「歩く」ことの全体として
成立している必要があるのです。


私も「立つ」「歩く」の質は、重要視していますが、
それは、「走る」の土台としてではなく、
「立つ」そのもの、「歩く」そのものとして見ていて、
一方で、「走る」は「走る」で、その全体を見ています。


その結果として、「立つ」「歩く」と「走る」は
どちらの側から見ても、お互いに繋がっているのだと
はっきりと体感することになります。


その体感を得ないままでは、どれだけ、

「立つ」「歩く」の質を上げても
「走る」の質には繋がらないでしょうし、

「走る」の質が、
「立つ」「歩く」の質に繋がることもないでしょう。


理屈で分かることと、体感、実感することの
差は大きいと思います。


全体から要素を取り出すことの意味もありますが、
全ての要素を組み合わせても、全体にはなりません。


要素を理屈で繋げ合わせても、
全体として機能させることはできない。


全体として機能しているとき、
身体は気持ちよく、喜びを感じます。


最初の
「走る」楽しさ、喜びを味わう。
というのは、この喜びです。

この喜びを味わった上でなら、
「立つ」「歩く」に目を向けることに
楽しさを覚えるはずです。


理屈や義務感で、
土台のようなものに取り組むのではなく、
楽しいから取り組まずにはいられない!

そうであってほしいと思っていますし、
そういうレッスンを心がけています。




公演


1月27日
       

『マイミクロスコープ 

〜夜のアートマイム劇場〜』

  
今夜は20時開演

新作とともに、

ポーランドで行なった映像でのプレゼンテーション

も、お楽しみに!  
     




ワークショップ

1月12日 

『響声歩き〜声による心と体のチューニング〜





1月15日 

『重心移動と肩甲骨 <動作塾 特別講座>





1月15日 

『原始歩き同好会






1月19日
 

『刀の扱いから、

身体の使い方とエネルギーの伝わりを学ぶ






1月22日
 

『力まない下半身

https://www.facebook.com/events/1647432071949034/




1月26日
 

『声(音)を身体に響かせる



  
     


     
               
レッスン


Body,Mind&Spirit 

本当の自分の身体は天才だ!







マイムから心と身体の平和を


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