この記事は、４回シリーズでトレーニング・健康をテーマにしたものです。
（依頼されながら、日の目を見なかったものです。）
第１回目分は、こちらをご覧下さい。
みなさん、前回の呼吸、うまく意識出来ていますでしょうか？
第２回目は、
リラックスとパワーの関係
について考えてみましょう。
スポーツに限らず、身体表現でもパワーは必要です。
けれど、どうしてもパワーを出そうとすると、力んでしまいがちです。
だからこそ、盛んにリラックスしましょうと言われるわけですが、
言われて出来るなら苦労しないですよね？
リラックスしつつパワーを発揮する。
これは一見、矛盾することのようですが、矛盾を克服しませんと、無駄に筋力をつけることになり、
ケガや故障を招きやすくなりますから、しっかり理解して下さいね。
では、どうしたらいいのでしょうか？
難しい話ではありません。理屈は簡単です。
まず、リラックスについて考えてみましょう。
これはひと言でいえば、
「必要以上の力を使わない。」
ということです。
力を抜くということとは違いますので、注意が必要です。
静止して立っているとき、歩いているとき、走っているとき、投げる、打つ・・・
どれもすべてリラックスの状態は違います。
静止して立っているときと同じ力の抜き方では、走ることは出来ません。
走るのに必要な力は使い、必要以上には使わないということなんですね。
これは、当たり前のようですけれど、
例えば、走るときの腕のポジション、振り方、
本当に必要以上でも必要以下でもない状態で走っていますか？
歩きから走りに変わっていく段階でも、それは少しずつ微妙に変わるはずですが、
いきなり変わったりしていませんか？
意外に難しいものですよね？
話を戻しましょう。
必要以上の力を使わないために重要なことは、
体の構造を活かすことなんです。
それは骨を通して重さを支えるということ。
柔らかいはずの筋肉に、その役目を負わせないこと。
筋肉は骨の位置を調整するために働いてもらうんですね。
次にパワーを発揮することについて考えてみましょう。
これも、重さを支えることと基本的に同じことなんです。
重さというエネルギーが骨を伝っていくとイメージすると分りやすいかもしれません。
パワーとは＝重さ×スピード
ですから、例えば、足元に向かって、重さというエネルギーが凄い速さで伝わりますと、
ジャンプになったり、蹴りになったりするわけです。
つまり、その重さの伝達経路が骨だといいということですね。
それは、支えが効くというだけでなく、モノが伝わる速度を考えたとき、
筋肉のように柔らかいものは遅く、硬いものは速いということですね。
（これは、あまり科学的とは言えませんけれど、イメージとしては十分活用できるものなので、
お伝えしました。）
このようにリラックスもパワーも、骨に重さが伝わることがキーになります。
特に基本として重要なのは、地面への重さの伝わりです。
足裏が地面に接している状態でしたら、足裏のどのポイントを通って地面に重さが伝わっているのか？
静止して立っている状態で、わずかに足裏の重心の位置を動かしてみて下さい。
真っすぐ前を向いたままで、体は動かさずに。
足裏って、意外に広いと思いませんでしたか？
重心の位置によって随分と体の感じが変わりますでしょ？
さて、骨は全身で約２００個あります。
リラックスでもパワーでもその質を高めるには、その全ての骨同士がきちんと結びついて、
重さの受け渡しにロスが生じないようにする必要があるんですね。
ところが、筋肉、筋膜、靭帯などが悪さをして、
骨の位置関係が悪くなってロスが生じてしまうんです。
そのロスを筋肉を固めることで、補おうとしてしまいますから、
さらなる悪循環が起きてしまいます。
次回３回目では、この悪循環から脱するためのお話をしたいと思います。
１月１７日 『動作塾』（今月のテーマ「刀で斬る」）
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ！
