私はあまり、具体的なエクササイズを
ここでは紹介してきていません。
といいますのは、
先日SNSでも発信したのですが、
全く同じエクササイズ・型をしても、
体のどこをどう使っているかは、
センスの良い人と、そうでない人とでは、
全く違うんですね。
ですから、
何をするか？よりも、
どう動くといいのか？という、
根本的な身体の使い方を学ぶことが
先なんです。
その中でも
特に重要な身体の使い方があります。
それは、身体を伸ばしながら使うというものです。
私たちはどうしても、
力を発揮しようとして
身体を縮めて使ってしまうんですね。
例えば、
手を強く握る。
普通に頑張りますと、当然、
縮める力を最大限に強くしますよね？
ところが、これに
伸ばす動きを入れますと、
握る力が強くなるんです。
クラスやワークショップで
紹介しますと、
みなさん凄く驚かれます。
そりゃあそうですよね（笑）
訳が分かりません（笑）
いえ、もちろん、理屈はあるんですよ。
今「月間秘伝」で連載中の記事で
別の例で説明しています。
…と、ここでの本題に戻ります。
手を握るという
ごく当たり前に思っている動きですら、
一般的には問題を抱えているわけです。
前回の声のお話も同じですよね。
つい、喉を縮めてしまう。
運動は体にいい。
声を大きく出すのもいい。
とは、よく耳にしますけれど、
その度に、縮めているとどうなるでしょう？
それは、本当に良いことでしょうか？
同じエクササイズ・型をしても、
それを本当に意味あるものにできるのは、
センスの良い人だけなんです。
ほとんどの人には、
本当は役に立っていない…へたをすると
有害の可能性だってあるわけです。
もちろん、かつての私がそうでした。
何も分かっていませんでした。
だからこそ、
エクササイズの紹介には
慎重になります。
特に、この
「身体を伸ばしながら使う」
というものは、
当人の意思の問題が大きくからみます。
何か道具を使うとやりやすい
というものではないんです。
ひと言でいえば、脱力。
筋力頼りにならない。
ですが、
先ほどの「握る」は
脱力とはいえません。。。
但し、こういった身体の使い方が出来るようになりますと、
どんなエクササイズでも、
有用なものになり得ます。
つまるところ、
世にあるエクササイズは、
どれが、より有効かではなく、
あなた自身が、
それを有用なものに出来得る
身体の使い方をしているかどうか
なんです。
多くの方が、
こうした身体の使い方の習得に
目を向けてもらえたらと思うのです。
しかも、この身体の使い方の習得は
モノの見方・考え方にも
良い影響をもたらしますから。
また、お話が長くなりそうなので、
今日はこれにて。
『月刊秘伝』4月号（発売中）
