なんっ!という、ボンボンショコラなんでしょうっ!!!
奇をてらっていない、オーソドックスな装いながら、この衝撃!
ビターな大人のボンボンショコラ。
オーラ輝く、眩いショコラ。
何といいましても、ガナッシュ。
密度が高く、ぎゅっと固めたような感じすらあるにもかかわらず、口溶けの、あぁ・・滑らかなこと・・・舌が、上あごが、口の中がひとつになっていく・・・
さらに、このガナッシュを活かすべく、コーティングチョコの薄いこと、およそ1ミリ。
口に入れたとき、噛むのではなく、上あごと舌で挟み、ぬにゅ~ぅっと、溶かしていく。
なんて贅沢な時間。
そして現れる、濃密なガナッシュ。
ボンボンショコラの名に恥じない、口の中での一体感。
(ボンボンショコラって、ひと口チョコってことですけど、コーティングとガナッシュが別物といった感じのものも多いですからね。)
どのガナッシュも香り高く、かといって、きつ過ぎず、嫌味なく、近くで香りながら、遠くからも香ってくるような、奥深さ。
普通ですと、ちょっときつめになりがちな、パッションフルーツのガナッシュですら、やわらかく、穏やかな風味。
思わず、目を閉じて・・あぁ・・・
フレッシュライムのガナッシュや大分産ゆずのガナッシュにいたっては、もう、何と言葉にしたらいいんでしょうか・・・端正でいながら、奥ゆかしい・・・自信に満ちていながら、前に出過ぎない・・・あぁ、あぁ、こんなものがあるんですねぇ・・・
クランチ入りのものも、その分量といい、歯触りといい、絶妙としかいえません。
クランチにありがちな、子供っぽさが、微塵も感じられないんです。
クランチ入りで、こんなにも美味しいと思ったことは、かつてありません。
あのピエール・マルコリーニより、はるかに好みと言えましょう。
さらに、どちらかと言いますと、後回しにしてしまうか、もしくは、先に食べてしまうアーモンドプラリネにですら、思わず唸らされてしまいました。
アーモンド独特のクセが、程よく抑えられていまして、美味しさだけを感じさせてくれるんです。
舌触りも、これまた絶妙。荒過ぎず、すかすか過ぎず、品のいいざらつき感。
このショラティエのチョコを愛する気持ちが、そして、チョコを愛してもらいたいという気持ちが、五感を通じて伝わってきます。
いえいえ、五感以上のところで伝わってきます。
いただく私も、その愛を全身で受け止めるべく、我(が)を捨て、その香りに、その口溶けに、その繊細さに、ただただ、身を委ねるばかりです。
神戸の『ラ・ピエール・ブランシュ』
あぁ・・・途方もない愛。