オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

「見る」ことを使えるように

真面目に、一所懸命取り組んでいても

動きがなかなか良くなってこない人に、

共通していることがあります。

 

それは、

 

手本を見ない

 

です。

 

 

手本を最初に少し見たら、あとはひたすら

自分がどうやったら上手くいくか?

になってしまうんですね。

 

きつい言い方をしますと、

自分勝手な動きの中で、こねくり回してしまうわけです。

 

 

では、よく見るようにと促せば良いか?

というと、事はそう簡単ではないのです。

 

 

見ない人というのは、

見ることの意味が分かっていないんです。

 

手本を見ながら、

体は動かさずとも、動いているように神経を働かせる

であるとか、

全体の雰囲気を掴み取る

であるとか、

分析して頭で理解しようとする

といったことをしないんですね。

 

ですから、仮に長い時間見たとしましても、

ただ時間が過ぎていくだけになってしまうわけです。

 

絵を描くことに置き換えますと、

分かりやすいと思います。

 

 

「このコップを描いて下さい」と言われて、

けれど、そのコップをすぐに引っ込められてしまったら

どうでしょう?

 

「え?置いておいて下さい!」となりますよね?

 

けれど、手本を見ない人というのは、

気にせず、描いてしまう。

 

書道(書写?)でも同じですね。

手本をチラッと見ただけで、書くようなものです。

 

 

ですから、手本を見るように促して、

一時的に見る時間が長くなったとしましても、

すぐに見なくなります。

当たり前ですよね?

 

 

例えば、

「人の話をよく聞きなさい」と言われても、

「よく聞く」というのが、どういうことかが分からなければ、

ただ、黙って(真剣な顔を装って)相手が話し終わるのを待つだけで、

またすぐ、聞かなくなって、

何度でも同じように「人の話をよく聞きなさい」と言われる。

 

そんな感じですね。

 

見ることを、自分の身体感覚に置き換えようとしないわけですから。

 

これは自覚するしかない。

 

で、実際に面白いことがありまして、

あるクラス生、以前はそれほど私の手本を見ていなかったのですが、

数年して、ある時からすごく見るようになったんですね。

 

(私がたまに言う「よく見ろ」が効いたのか?

自分で何か思うところがあったのか?

定かではありませんが・・・)

 

そうしましら、やはり、動きがどんどん良くなってきたんです。

 

では、どれくらい見るようになったか?

ですけれど、

最初に見せる見本は、当然誰でもみんな見ます。

で、その後、繰り返し練習してもらうのですが、

その途中で、私がまた手本の動きを、みんなに混じって行なうんですね。

なんとなしに、です。

 

そうしますと、多くの人は、私のことはあまり気にせず、

練習を続けるのですが、

その人は、自分の動きを止めて、じーっと私を見ているんですね。

そして、また動き始める。

 

私は、「自分の練習を一旦やめて、見るように」

とまでは言っていません。

 

それは、形だけそんなことをしても意味が無いと思うからです。

 

けれど、そのクラス生は、そうするようになり、

そして、進歩が早まったわけです。

 

 

「見る」ことを使えるようにする。

 

今回はちょっと厳しいお話だったかもしれませんね。

 

 

 

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