個人レッスンを進める中で特徴的なことは、
その人の実現したいことを聞き、理解し、
現状どうやっているかを観察し、
どんな問題を感じているか？を聞き、私の観察の結果と照らし合わせて、
ではこうしてみたらどう？
こういう考え方をしてみたらどう？
と提案することにあると思うんです。
グループレッスンとは、やはり違いますよね。
で、新しいことをやってもらい、どんな感じがするか？
そして、改めて元のやり方をしてもらい、どんな違いを感じるか？
こうすることで、これまでの自分が何をしていたか？
その何が問題だったかを理解し、改善策の有効性をしっかり認識していくことで、
後戻りしないことはもちろん、
言われたことをやったらなんだか上手くいった、
ということにせず、
今後の本人自身の考える力にしていってもらう感じなんです。
先日も、ピアノのレッスンで、
遠い場所の鍵盤を行ったり来たり早いスピードで弾くところを良くしたい
というものがありまして、
まずは見せてもらったんです。
ピアノ素人の私には、ただただ凄いなぁなんですけど、
正確性と強さとスピード、そして疲労度の低さ、全て高めたいと。
正直、頭で考えても分かりませんでした。
指と手首・前腕の問題ですけど、頭の中での理屈的にはもうやり込むしかないのでは？
だったんです。
けれど、そうは言ってられませんから、
ちょっと空中で弾く真似をしてみたんです。
そうしますと、アイデア、出てくるんですよね。
ちょっとばかり奇抜なアイデアでした。
私が手の動きをスローで行ないながら、丁寧に説明をして、
聞いたことのないような動かし方を理解してもらい、
実践してもらったんです。
おお！いい感じ！
で、改めて今までの弾き方をしてもらいますと、
違いを鮮明に感じ取ることができ、
新たなやり方の有用性を、頭でも理解してもらえました。
具体的な内容はお伝え出来ませんけど、
これまでAとBの動きでやってきたところを、
新しいCを取り入れたことで、AもBも精度が増したという感じです。
これは、ABをそれぞれ高めることでは到達は不可能なんです。
仮に同じくらいに精度が増したとしましても、疲労度が高くなってしまうはず。
（一般的な努力は、このタイプです。）
Cによって、むしろ今までより疲労度も低くなっているんです。
こうして、これまでその人にとって全く経験したことのない動きも、
なんとなく上手くいったというのではなく、
何をしたから上手くいったのかを理解出来ますと、
それ以外のところでも、同じようなことが使えるのではないかと、
自分なりに探れると思うんですね。
個人レッスンでは、このように私には経験がない分野のものの場合は、
概ねこのような感じで進んでいきます。
もちろん、演技や身体表現といった私の専門分野と非常に近い個人レッスンもあります。
けれど、この場合でも要望がない限りはアートマイムの指導はしません。
やはり、同じような進め方です。
その人が、自分ひとりでは思いつかないアイデアを提案する、といった感じです。
そのことで、その人が本来持っている力を、引き出したいわけです。
6年前ですがこちらの記事が参考になると思います。
さて、個人レッスンは何も専門的なことのスキルアップのためだけではなく、
健康のためにといった年配の方もいらっしゃいます。
この場合でも、基本はお話をよく聞くことです。
その上で、その方の想像の範囲にとどまらない、
私から見て必要だと思うことを組み入れていく感じです。
以前、SNSで紹介しましたけれど、
膝・腰にトラブルを抱えている方が、それを全く感じさせない
舞のような軽やかな動きが出来たことに、本人がビックリ！
映像をその方の知人が見て、やはりビックリ！
ということもありましたね。
と、グループレッスンとの違いをお話してきましたけれど、
個人的な課題を、グループレッスンの中で解決していく人もいるでしょうし、
時間的な問題もあって、このような個人レッスンを活用する人もいると思います。
個人レッスンってどんな感じなのかな？
という方に、雰囲気が伝わっていればと思います。
