よく「夢を持ちましょう」と言われます。
「具体的に夢を描きましょう」と。
私は、このことがよく分からなかったんです。
そもそも、そう言われなければ描けない夢って、本当に夢なの？？って。
夢って、見るな！と言われても見てしまうのが、夢なのでは？と。
ところが、ある人のお話を聞いて、なるほどなぁと思ったんです。
多くの人は、自分が何が好きなのか、何に心奪われるのかを、
分かっていないのだと。
それで、そういった夢を設定するということで、
自分の内側と対話することになるのだと。
きっと、多くの人はいい人なんだと思うんです。
いい人だから、したくないことでも、すんなり従ってしまう。
初めのうちは、疑問を持ちながら従っていたものが、
積み重なるうちに、疑問を持たなくなり、むしろ良いことだと考えるようになってしまう。
そうしているうちに、世間で良いと言われているものが、
まるで自分が良いと感じているようになってしまう。
世間でおかしいとされるものを、
まるで本当に自分もおかしいと感じてしまうようになってしまう。
で、自分が何が好きなのか、何に心奪われるのかが見えなくなる。
だから、心の深いところでは、この自分って本当の自分なの？と疑問が浮かび続けている。
と、書いてきましたけれど、
私自身は、本当の自分を分かっているわけではありませんし、
昔から、そして今も、夢もありません。
夢を持たずに生きていますけれど、
そのおかげで、思わぬ流れの中で生きています。
で、思うんですけれど、
とりあえずは夢を設定しても、流れの中での変化を厭わずにいられると
いいのではないかなぁと。
化学とか物理などのノーベル賞を取った人の話で、
実験中の失敗と思われるような結果から、
当初の目的とは違った思わぬ成果を導き出せて、ノーベル賞に繋がったみたいなこと、
ありますでしょ？
当初の目的に固執していたら、失敗のままだったんですよね。
これ、運動でも同じでして、
自分がこうしようと思って、その設定に固執してしまいますと、
出来た出来ないで終わってしまいます。
けれど、動いてみて、ん？こういうエネルギーの流れもあるのでは？と
そこから探れますと、自分自身の動きの発見になるんですよね。
あるいは、小説やマンガで、作者がよく言う
登場人物が勝手に動き出すみたいなものも、
同じですね。
作者が考えた通りにストーリーを進ませたのでは、大抵は面白くならない。
作者自身が驚くような展開になると、読み手にも面白いものになる。
これは、表現の分野はみんな同じ。
稀に、最初から全てが見えているということもあるでしょうけれど。
それは、余程のこと。
この余程のことで、上手くいっているのが、
誰に言われずとも大きな夢を持って生きて、
常人では叶えられない夢を叶えてしまう人だと思うんです。
ところで、そもそも、夢が叶ったら幸せか？
「夢を持ちましょう」が、本当にイコール幸せになる道なのか？
ということも、あると思うんです。
夢が叶うことと、幸せと、どちらを優先させるか？
ではないかと。
もちろん、叶わぬ夢を追う人生が幸せってこともあるでしょう。
いずれにしましても、夢を持たなくては！という世間的な圧力に流される必要はなく、
無理に夢を持たなくてもいいと思うんです。
けれど、とりあえず夢を設定することで、
希望を持って歩めるのなら、それは大事なこと。
きっと重要なのは、自分に希望を持てること。
自分に希望を持っていられれば、
思わぬ方向にも流れていける。
そのほうが、自分らしい人生だと思えるような気がします。
新著
●第１章 バネを利かせる！ 地面反力
●第２章 敏捷になる！ 股関節の抜き
●第３章 腕に螺旋エネルギーを通す！
●第４章 脚に螺旋エネルギーを通す！
●第５章 触れ方の質を上げる！
●第６章 想いを伝える、届ける！
●第７章 日常生活で動きの質を上げる！
次回アートマイム公演 3月27日
