習得のスピードには個人差があるわけですけど、センスの有る無しや、やる気というよりも、何か別の問題もあるのではないかと思いを巡らせてみました。
教室では上手く出来たことが、必ずしも家に帰ってからも上手く出来るわけではありませんよね?
多くの方が経験していることだと思います。
教室では、それが出来るまでに、(一見無関係そうであっても)何かしらの工程を踏んでいますから、身体の感覚が普段とは違う状態なんですよね。目覚めている度合いが高いわけです。
その感覚の目覚めは、レッスン内容を通してというだけではなく、指導者の身体・動きを直に見ていることで、ミラーニューロンが働いてくれたおかげということもありますね。
(直でないと、あまり働きません)
で、上手く出来て、「こういう感覚なんだ!」と喜ぶことになるものの、翌日再現しようとすると、「あれ?」と、何か違ってきてしまう。。。
そう、教室では目覚めていた感覚が、また普段通り眠ってしまっているからですね。
これ、眠っていることにすら気がつきません。何しろ、普段眠っている感覚で、教室で目覚めたといっても目覚めていることに対して、ほぼ意識はありません。仮に意識があったとしましても、どうして目覚めたのかを分かっていません。
しかも、こうした感覚が一つではなく、いくつも複合的に絡んでいたりします。
昨日出来たことが、今日出来ないのは、ある意味当たり前なわけです。
つまり、どれだけ教室で上手く出来ても、あくまで教室内での特別な体験に過ぎないんですよね。
毎日毎日、その教室に通い、しかも同じようなことに取り組み続けていれば、そのうち身について、何も考えずにいつでも自然に出来るようになるとは思うのですけど、あまり現実的ではありませんよね?
教室で、この動きについて、あの動きについて、それぞれどれだけ良い感覚を体験出来たとしましても、それは遊園地、テーマパークのアトラクションを色々体験したくらいに思っていた方がいいんです。
おそらくですけれど、習得が進まない人は、次の日家でやってみた時の「あれ?」が起きた後、それで終わってしまうのではないでしょうか?
多少は試行錯誤して、感覚を思い出そうとしても、上手く出来ないことに気落ちしてしまい、そこでやめてしまう。
非日常の時間を楽しむ習い事という感じでしたら、そんなものでしょうけれど、本気で習得しようと思っているのでしたら、これでは難しいですよね。
あるいは、出来ていないのは分かっていながら、やっていればそのうち思い出すだろうと、そのまま(出来ていない感覚のまま)繰り返し練習してしまう人もいるかもしれません。
これは一所懸命に取り組んでいるという点では、素晴らしいのですけど、かえって習得から遠ざかる可能性が高いと思うんです。
ひと言で言いますと、良くない癖がついてしまいます。癖を取るのは大変です。
では、どうしたらいいのでしょう?
簡単ですね。試行錯誤をひたすら続けることです。
週に1回の教室でしたら、次回までの1週間少しでもいいので毎日試行していくのです。
試行の場合、単純な繰り返し練習ではありませんから、癖はつきません。次のレッスンの際に、必要に応じてすぐに対応出来ます。次のレッスンが単に次の試行といった位置付けになりますのでね。
この試行という感覚がありませんと、毎回ただ出来ない状態で教室に行くか? それとも、癖をつけて行くか? となってしまい、どちらもなかなか進みませんね。
とにかく試行です!
教室の中で分かった感じになっても、分かった気にならず、ずっと試行!
試行錯誤を楽しんで下さいね。