押すという動作、シンプルな動作ですけど、どこが主体的に働くか? は意外に盲点だと思うんです。
壁を押してみましょう。
手で押しましたか? それとも足で押しましたか?
?? 何を言っているの?? ですよね(笑)
はい、もちろん、壁は手で押すんですけど、足で床を押す(踏む)ことが上手く出来ませんと、壁を押せないですよね?
もし、床が氷のようにツルツルですと、壁を押すと、自分が後退してしまいますでしょ?
当たり前のことではあるのですけど、で、壁を押す際に、手・腕が主体となって押すのか? それとも床を足・脚で押す(踏む)ことで、結果として手に力を送り込んでいるのか? という違いが出てくるんです。
手で押している場合は、足元は補助といった感じですね。
一般的には手が主体かと思います。直接壁に触れているところに意識が向くのが普通ですから。
ただ、お相撲さんをイメージしていただくと、どうでしょう?
なんだか腰から足元が主体そうな感じがしませんか?
踏ん張って、その踏ん張ったまま押し込んでいくような感じですよね?
同じ「壁を押す」でも、手主体と足主体とあるわけです。
ここで手を内回し、指先をわずかに内側に向けて押すのと、逆に外回しして指先を外あるいは下に向けて押すのとやってみると、どうでしょう?
多くの人が、内回しですと手主体になり、外回しですと足主体になると思います。
ならなくても、敢えてそうした意識で押すと、力が発揮しやすくなると思います。
面白いですよね。
どちらが良いということではなく、違うということなんですけど、どちらが主体かによって、当然ではありますけど使われる筋肉が違ってきます。
その違いは、手か足か?といったことだけではなく、手足以外のところに大きく現れます。
ぜひ、確認してみていただけたらと思います。
もし、手の向きを変えても何も変わらないという場合は、力の発揮の仕方を無意識のところで「これ」と決めてしまっているのだと思われます。
それは何を意味するか?と言いますと、体を無視しているということです。体の構造を活かすのではなく、筋肉に力を入れることが、力を発揮することだと思っているということなんです。
頭で力を抜くことが大事だと理解していても、それがどういうことかを理解していないということなんです。
きつい言い方になりましたけれど、身体の使い方を良くする上では極めて重要なこと。この理解がありますと、グン!と身体の使い方は良くなりますよ。
ところで、この押し方の違いで、他に何か感じるものがありましたでしょうか?
これ、手主体ですと積極的に押すという感じだと思うのですが、足主体の場合は、押されるのを受けている、耐えているという感じがあるかと思うんです。どうですか?
ただ、いずれにしましても、床から壁まで、足元から手まで、出来るだけ力を漏らさぬようにしたいですね。
力と言いますか、エネルギーは関節のところで逃げてしまいますから、そんな点も注意しながら、壁押し、またやってみてくださいね。
どんな発見があるか? ですね。