「踏む」という動作は、意外に難しいんです。
例えば、走るという行為、ランナーの方でしたら、腹圧で踏むといったことを聞いたことがあるかもしれません。
(実際には、腹圧を高めたら踏めるというわけではなく、腹圧が高まるということ。)
一般的には、踏むといいますと足の筋肉のことだろうと考えてしまうと思うんですけど、そうではないんです。
だから難しいわけなんですけど、もう一つの難しさに
「踏み続ける」
ということがあります。
踏むと考えた場合には、ギュッと瞬間的な力を加える感じをイメージされるかと思うんですけど、
踏み続けるとなりますと、ギューッと長い時間力を加えることになりますでしょ?
これが、上手く踏むことが出来ていませんと、単に力みになってしまいます。
ところで、なぜ踏み続ける必要があるのか?と言いますと、
踏み続けることが出来て、初めて(瞬間的な)踏むことが出来るから。
踏み続けようとして、それが力みになってしまうようだと、どうでしょう?
そのような身体の使い方での(瞬間的な)踏むという動作は、実は踏んでいるのではなく、つっかえ棒的な感じで、地面と衝突しているだけなんです。
踏むといいますのは、地面深くに力を届けること。
それがつっかえ棒的な衝突になってしまいますと、ごく浅いところ、表面的なところにしか力が届きません。
例えば、走る際でしたら、地面からの反発力をもらえない、利用できないということですね。
大袈裟にいいますと、それは月のような重力の無いようなところで走るのと同じ。
で、さらに! なんですけど、
踏むといいましても、股関節がどのように働きながら踏むのか? そこも問題なんです。
まず、踏むのが難しいのは、股関節が回旋をしないで、つまり脚を真っ直ぐな棒として地面に突き刺そうとしてしまうので踏めないんですけど、回旋するとしても、内旋か外旋か? の問題があるんです。内捻りか外捻りか? ですね。
その上でといいますか、そこに付随して、股関節の伸展と屈曲の問題がからんでくるんです。
ややこしそうですよね?(苦笑)
詳細は置いておきまして、レッスンをしていて思いますのは、多くの人にとって股関節伸展位で踏むことが、とんでもなく難しいことなんだなということなんです。
これが出来ないがために、エネルギーが外向きになりきらず、どこか内向きの重たさを持ったものになってしまう。
それが、いけないわけではないのですけど、使い分けが必要だと思うのです。
ただまぁ、何にしましても踏めることが大事!
足元からエネルギーをもらえると、動きが変わりますよ。