スポーツ選手が強くなったり、復活活躍しますと、
「体幹を鍛えた」がセットになって報道されるような印象がありますけど、
どうですか?
こういった報道が繰り返されますと、
体幹を鍛えれば、色々と上手くいくのでは?
と思われると思うんですけど、
以前からお伝えしているように、注意が必要なんです。
どれだけ体幹を鍛えても、腕で押したり脚で踏んでいたのでは、
あまり意味が無いということなんです。
ん??
どういうこと?
と思われますよね。
私たちは通常、何かを持ったり引っ張ったり、押したりと手で仕事をします。
かつ、大抵は立っていますから、床・地面を踏みながらの仕事になります。
と言いますか、
床・地面を踏む力を、手の方の押す・引くの力につなげていけるといいんですね。
そうしますと、脚と腕をつないでいる体幹が弱いと困ってしまう。
体幹で力が逃げてしまいますから。
そういった意味では、
もともと非力な人は、体幹を鍛えますと、
そのまま役に立ってくれやすいと思うんです。
けれど、
腕や脚が強い一方で、体幹を使いこなせていない人ですと、
体幹を鍛えましても、相変わらず腕や脚の強さで力を発揮してしまいがちですから、
体幹の強さは全体の力の発揮とは無関係に、
ただその部分の筋力が強いというだけになってしまうんですね。
むしろ体幹のしなやかさが失われ、動きが悪くなってしまいかねないんです。
腕や脚で力を発揮しようとすること自体は、変わっていませんから、
実のところ、腕や脚を鍛えても良かったわけで、
体幹トレーニングが注目される以前の、昔の筋トレでも同じなんです。
そもそも体幹を鍛えることが目的ではなく、
パフォーマンスを上げる…大抵は押す引く踏む力を上げるために
取り入れているからこそ、上手くいくんです。
冒頭の「体幹を鍛えれば、色々と上手くいくのでは?」は、
そんなことはないですよ、となってしまうんですね。
では何が大事か?
答えは既にお話の中に出てきているのですが、
体幹トレーニングをする際、腕や脚の力を抜くことをセットにすることです。
もちろん、ただ抜くのではなく、
押す引くや踏むといった力を発揮させつつです。
これは、体幹の筋肉も鍛えられますけれど、
どちらかといえば、
体幹が使われるような神経回路を作っていくということが優先されているですね。
筋力よりも神経が先ということです。
その上で、負荷を大きくしていきますと、
より意味のある体幹の筋力になっていってくれます。
不人気になりやすいですけど、
本当にパフォーマンスを上げたい場合は、
大事にして欲しいと思います。
アートマイム公演 2月8日(火) 公演写真