膨らました紙風船を、両手で思い切り潰そうとしながらも潰さずに持ったまま、
腕の位置を変えたり、体を動かしたりする体幹トレーニングです。
クラスで最近また、このトレーニングのお話をしたものですから、
またこちらでも。
これ、取り入れている人がいるのかどうか、全く分かりませんけれど、
出来る人は自然とやっていると思うんですね。
出来ない人・・・と言いますか、そもそも
「膨らました紙風船を、両手で思い切り潰そうとしながらも潰さずに持つ」
ことが、どういうことかを分かっていませんと、
その後の「腕の位置を変えたり、体を動かしたり」しても意味が無いと思うんです。
下手をしますと、ただただ力む練習をしていることになってしまいます。
例えば、紙風船でなくても、何か身近なもの、ペンでも本でも両手で挟むように持って、
そのまま肘を張って、腕・肩などに力を入れてみると、どうでしょう?
息を詰めると、もっといいかもしれません。どうでしょう?
両手で思い切り潰そうとしながらも潰さずに持っている感じがしませんか?
この状態で、腕を上げたり下げたりって、結構大変そうですよね?
大変だから、トレーニングになるんだ!と思われるかもしれません。
けれど、これ、大きな誤解なんです。
もう16年も前の記事なんですけど、ちょっと読んでみていただけますか?
短いものです。
おそらく、このトレーニングを分かりやすい形にしたのが、
で、ここがポイントなんですけど、
パントマイム(つまり、エアー)で力を入れる真似をしますと、その人の普段の身体の使い方がそのまま現れるんです。
ですから、胸の前の空気の塊を両手で押し潰すのも、
ほとんどの人は、腕や肩に力を込め、息を詰めるような感じになります。
多くのパントマイムが顔芸になるのは、このせいでもあるんです。
力の発揮を表すために動かせるのは、表情しかないからですね。
このような力の発揮の仕方は、実は思っているような力が発揮されないんですけど、
力の発揮=筋肉に力を入れる
のような、無意識の思い込みがあるために、
ここから抜け出すのは、容易ではないんですね。
リラックスや脱力が叫ばれ続けているのは、その証。
力を発揮するするのに必要なことは、筋肉を縮めることではなく、
骨を動かすことなんです。
筋肉はむしろ、骨の動きを邪魔しないようにする必要があるんです。
(この辺りのことは、拙著でもお話しています)
となりますと、紙風船に対してどう力を加えるか?
難しくなりませんか?
落とさないように、潰さないように、そっと持つのが難しいわけではないんです。
そもそもの力の加え方に対する考え方を改めることが難しいんです。
何をするか?よりも、
どうやるのか?
を先に学ぶ必要があるわけです。
私のレッスンは、この「どうやるのか?」のレッスンなので、
人に説明するのが難しく、
生徒さんが知り合いに説明するとき、いつも困ってまいます(笑)
ですね。
【出演情報】
7月3日 作品『牛』でゲスト出演します。
【作・演出作品の上演情報】
6月30日 作品『これまでも これからも』をアートマイム塾4期生10名で演じます。
アートマイム公演 2月8日(火) 公演写真 次回は8月22日(月)