オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

効果的に学ぶ 直感に反する方法

何かを学ぶ際、どう進めていくのが効果的なのか?

 

一般的には、まず基礎を学んでという形になりますよね。

 

けれど、これ本当に効果的でしょうか?

 

ということで、今回は脳研究者の池谷裕二氏の著書『夢を叶えるために脳はある』で紹介されていた、効果の高い学習法についてのお話です。 

 

池谷裕二氏は脳研究の中でも、学習に関することを特に専門的に研究しているとのことで、この著書の中で効果の高い学習法として、3つ紹介していました。

(この本、辞書みたいに厚くて、まだ半分ほどしか読んでいないのですが・・・)

 

3つの学習法、それは

 

・困難学習

地形学

・交互学習

 

これだけでは、何やらさっぱり分かりませんよね(笑)

 

詳細は本を読んでいただくとしまして(この話題に関しては10ページほど)、かいつまんで説明しますと、「困難学習」とは少し面倒な思いをしたもののほうが、記憶に残りますよというもの。頭だけでなく身体を使うとか、頭であっても理解に少し戸惑ったものの方が記憶に残るということで、どなたも実感があるものですね。

 

 

で、「地形学習」と「交互学習」が今回のポイント!

 

 

まずは「地形学習」。

ある実験が紹介されているのですけど、玉を投げ入れるテスト、90センチの距離のところに投げ入れるテストで、事前にどんな練習をすると効果的か?というものです。

 

ひとつは、テストで実施される距離と同じ90センチ離れたところから投げ入れる練習。

もうひとつは、その90センチでの練習は全くしない。代わりに、60センチと120センチを交互に練習。

 

テストの結果は、後者の方が良い。

それも、2倍ほどの違いが!

 

 

これ、私がこれまで一貫して伝えている練習法と一致しているんです。

我が意を得たり!でした(笑)

 

私がよく言っていますのは、

「すごくゆっくり、すごく速い、あるいは、すごく弱い、すごく強いという練習が重要。そのそれぞれのマックス値を上げなさい。そうすれば、その間、中間のスピードやパワーは、自然に良くなる。」と。

 

多くの人が、求めるスピード・パワーで練習してしまいがちなんです。

本番でそんなにゆっくり、あるいは速さは必要ないし、弱さはもちろん、強さもそんなに必要ないからと、あくまで本番を想定してしまうんですよね。

 

けれど、そういった練習をしていると本番でミスしやすいなど、上手くいかないんです。

 

簡単に言いますと、調整能力が高まるかどうか?ですね。

 

(厳密には、マックス値を上げることについては、地形学習とはまた別だとは思いますが、必要とされるものズバリではなく、そこを含む周囲・前後の練習をすることが大切という意味では同じことかと。)

 

 

では次に、「交互学習」。

これも本の中で実験が紹介されいるのですけど、紹介が難しいので、要点を。

何かを学ぶ際に、単元ごとに学ぶよりも、単元を無視してあっちをやり、こっちをやりと学んだほうが、効果が高いというもの。

 

こちらは、ほとんどの人が、「え??」「逆じゃないの??」と思ってしまいますよね。

 

世のほとんどの学び事は、単元ごとに学ぶように設定されています。

教科書・教材はもちろん、どこかの講座も。

 

それが実は効果的ではないというお話なんです。

 

 

なぜ効果的ではないか? お分かりになりますか?

 

その答えは後ほどお話をしますが、実は私のレッスンは当初からのこのスタイルなんです。

ですから、やはり、我が意を得たり!でした(笑)

 

まぁ、全てが我が意を得たり!だったので、こうして紹介しているわけですが(笑)

 

 

一般的なレッスンでは、ある動作や型、振り付けみたいなものを、例えば今月はこの動き、といった感じで、一定期間練習してもらい、ある程度習得できたところで、別のもの、少し難しいものを練習してもらうという感じかと思います。

 

とても親切で分かりやすい進め方ですよね。

 

一方、私のレッスンでは、ある動作や技術の習得のためにと前回と同じ内容を取り上げることは、まずないんです。もちろん、当日のレッスン内でも、いろいろと取り組んでもらいますから、1回のレッスンで習得できるわけではないのですけど、それでも、次のレッスンで、さらに次のレッスンでも取り上げて習得してもらうという形はとっていないんです。

 

ですから、極端な言い方をしますと、出来た気がしないまま、また別のことをやっていくということになるわけです。

 

一般的なレッスンが、ある程度出来た気がしてから(個人差があるとはいえ)、次に進むという親切なやり方とは、対照的です。

 

一般的なレッスンでは上達の程度を感じることが出来ますけれど、私のレッスンでは感じづらいということでもあります。

 

 

ここが、学習の厄介なところですね。

 

本で紹介されていた「交互学習」つまり、単元ごとに学ぶのではなく、単元を無視してあっちをやり、こっちをやりと学ぶ、多くの人が非効率的だと思ってしまう学習法、この直感に反するような学習法こそが、実は効果的なんだと実験データがあっても、やはり直感に反するので、なかなか取り入れられない。受け入れられないんですよね。

 

そりゃぁ、そうですよね。

分かった気がしない。出来るようになった気がしないわけですから。

 

 

で、実はここがポイントなんです。

この「分かった気」「出来るようになった気」が成長を止めてしまうんです。

ですから、学んでいる最中の安心感としては良いけれど、安心感でしかないということなんです。

 

モヤモヤしたままがいいんです。モヤモヤしたまま学び続けていますと、安心感はないけれど、学びが深くなっていく。

 

「困難学習」と通じるところがありますね。

 

 

ということでして、他の一般的なレッスンと比べて、安心感を得づらい私のレッスンですが、教室の外・私のレッスンの外に出ますと、実は大きな効果を感じられるんです。

 

例えば、他で踊りを習っていたりしますと、急に褒められるようなったり、やったことのない振りでも、なぜか良い感じで動けてしまったり。

あるいは、日常生活でいつもは大変な思いをしてやっていたことが、急に楽に出来るようになっていたり。

精神面でも、辛さを軽減できるようになっていたり。

それこそ、効果は多岐にわたります。

 

こういった経験をしている人たちも、すぐに私のレッスンの効果だと結びつけて考えるわけではなく、ただ他に何もしていないので、どう考えても私のレッスンの効果・成果としか考えられないなぁという場合が多い。

(なんでもかんでも、私のレッスンのおかげだ!と考えしまうようですと、それは宗教になってしまうので、危険です。)

 

 

とまぁ、自分のレッスンの進め方の自慢と言いますか、言い訳と言いますか・・・(笑)

 

ちなみに、私のレッスン、単発のワークショップでは、分かってもらうことを重視しています。

一方、普段の定期クラスでは、分かってもらいつつ、出来た気になってしまわないようにと、注意を払って進めています。

 

 

今回、紹介しました地形学習」と「交互学習」。

分かった気になることをとるか?実を取るか?

私の直感・考え方とは合致していましたけれど、一般的には受け入れづらい。それでも、私のレッスンに何かを感じ取って通い続けている人は、やはり直感が良い方向で働いているのだと思います。

 

分かった気には、なりづらいかもしれませんけど、確実に実は取れていますよ。

 

 

 

 

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