前回からのつづきです。
さてそこで、ボディワーク。
私たちはほとんどが、成長するにつれて身体の動かし方が
悪くなっていきます。
赤ちゃんの時には、何をするにも全身で行なっていたことを
例えば、手先だけで済ませるようになる。
それは悪いことばかりではなく、
全身で必死に歩く小さな子どもに比べて、
ある意味、歩くのも楽になるわけです。
ところが、それが積み重なりますと、
身体の中によく使うところたそうでないところの差が大きくなり、
バランスが崩れ、それが元でケガをしたり、
スムーズな動きが出来なくなったりするわけです。
（身体のバランスが崩れる原因は、動作面だけでなく、
モノの考え方見方や、感情面なども影響します。
その偏りが身体の偏りを生み、その身体の偏りがまたさらに
内面の偏りを生むといったことがあります。）
こうして、医者に診てもらうほどの状態ではなく、
一見ゼロあるいはプラス状態の身体だけれど、
実はマイナス状態だから、その隠れたところゼロに戻しましょう。
そうすると、本来の自分の身体や心を取り戻せますよ、
というのが、ボディワークです。
言い換えますと、
一見不必要に見えるリハビリ。
けれど、土台から見直す巨大なリハビリ。
かなり極端ではありますが
私はそう解釈しても遠くはないと思っています。
で、このボディワークという土台リハビリをしますと、
運動能力が上がったように感じます。
それはそうです。
それまでは、身体の構造にそぐわない使い方をしていたり、
一部しか使っていなかったわけですから。
けれど、勘違いしてはいけないと思うんです。
基本的にリハビリです。
小さな動き、速くはない動き、それほど力を要しない動き、
そういったものではいいのですが、
大きな動き、スピードのある動き、大きな力が必要な動き、
そういったものに対応するには、
やはりトレーニングが必要です。
それは、筋トレ・ストレッチ系だけでなく、神経系においても。
ボディワークはマイナスをゼロに戻す、神経系ワークです。
これまで使えていなかったところに、
神経回路を作るのであって、
筋力アップや柔軟性アップとは、異なります。
その神経回路も、脆弱なものから強固なものまであり、
これまでのマイナス状態の身体を作ってきた回路のほうが、
はるかに強固なわけで、ボディワークで養った回路と
書き換える必要があるのです。
そのためには、その神経回路に基づいた動きを
何度となく量をこなす必要があり、
さらに、速い動きでも大きな力が必要な動きでも、
その回路をベースに動ける必要があります。
速い動きでも大きな力が必要な動きでは、つい昔の神経回路が使われてしまいます。
特殊な動き、例えば、競技特有の動きになればなるほど、
その傾向は強まります。
なにせ、昔の神経回路のもとで、培った技術・動きです。
土台リハビリの範疇ではありません。
ある意味、全く新しい技術・動きを学ぶくらいの気持ちが必要です。
つまり、ボディワークとトレーニングの橋渡し、融合的なものがありませんと、
せっかくのボディワークも、十全には活かされないのです。
ボディワークとトレーニングを融合させたようなものを、
独自に取り入れていますが、
この領域のトレーニングは、
はたから見ますと奇異なものであることが多いんです。
私のレッスンもこの類いですね（笑）
次回につづく。
