トレーニングにしましても、ボディワークにしましても、
大事なことは、それ自体を目的化してしまわないことです。
いえ、目的化して楽しむという手もあります。
重要なのは、自分がどちらをしているのか？
その自覚だと思うんです。
まず、目的化して楽しむとは何か？ですけれど、
ひと言でいいますと、
トレーニングでもボディワークでも、そこで取り上げていることを、
出来るようになって
喜びを感じることですね。
ごくごく当たり前のことのように思えますよね？
出来るようになれば嬉しいですし、次に進むモチベーションにもなります。
一般的な指導者も、出来るようにと指導するわけですしね。
けれど、私の考え方は、少し違うんです。
（全然違うとも言えますが…）
目的は、競技パフォーマンスや日常動作の質の向上。
そのために、どんなことが必要か？
私はこう考えています。
いつも違うことを行ないながら、
いつも同じことを行なう。
どういうことか？
トレーニングでもボディワークでも、
それを出来るようにすることが重要なのではなく、
どう経験するかが重要になります。
どんなことをしていても、
エネルギーの通りをより良くすることを第一義に置くんです。
頑張り過ぎて、通りが悪くなるようなら、その一歩手前で、
エネルギーに向き合う。
あるいは、頑張りつつ、そのままでいかに通りを良くできるか探索する。
そのことによって、（心も含めた）身体感覚・動作感覚が磨かれます。
身体を感じたり動かす神経回路を増やし、密にすることで、
未知の状況を含め、その場その場で、必要に応じた身体になれる、
そんな身体を目指すわけです。
対応力の高い身体、汎用性の高い身体ですね。
情報処理能力の高い身体です。
仮に同じことが出来ている２人の人がいるとしまして、
情報処理能力の高い身体の人は、そのことに対応した結果、出来ていている。
低い人の場合は、身体が覚えたことを再現している。
低い人は、少し状況が変わったら出来なくなってしまう。
その状況向けに、あらためて訓練をする必要が出てくるわけです。
キリがありませんでしょ？
で、さらにいいますと、
先ほど「（心も含めた）身体感覚」といいましたが、
訓練の際に、
自分の身体の寸法で動くのではなく、
空間を感じながら行うことも重要です。
これは皮膚感覚が助けになります。
身体の寸法で動くというのは、皮膚感覚が閉じている状態をいい、
空間を感じながらというのは、皮膚感覚が開いている状態をいいます。
このことによって、
体と心をばらばらにしない訓練が可能
になります。
逆にいえば、これをしていないと、エネルギーが閉じてしまいます。
浸透力がなくなります。
皮膚は脳とも腸とも深い関係にありますから、疎かにしていると、
もったいないのです。
さて、最後に。
それ自体を目的化することは、取り組みが楽ですし、
指導サイドも教えやすく、段位などの階級づけや資格発行もしやすいために、
多くがこのスタイルです。
一方で、目的化しないという取り組みがあり、
自分がどちらになっているのか？
どちらがしたいのか？
自分にあった学び方を知って、
自分にあった指導者、世界に出会えるといいと思います。
