「腰を入れる」って、どういうことか?
腰が入っていませんと、着物・浴衣などの和装は、
どうも決まりませんよね。
西洋の人や、今の若い人の和装が浮いてしまうのは、
単に背丈や手足の長さのせいではありません。
腰を入れるというものを、
膝を曲げる、腰を落とすといった指導をしても
上手くいきません。
結論からいいますと
腰を入れる=踏む
なんです。
腰を入れるといいますのは、地面(床)を踏む力を
深くに浸透させること。
腰が入っているというのは、地面(床)を踏む力が
深くに浸透していくような身体の状態をいうのです。
このとき、骨盤は前傾気味。
丹田(下腹)にエネルギーが満ちる感じでもありますね。
いわゆる今の若い人は、骨盤が後傾気味ですし、
踏む力も弱く、丹田にエネルギーがありません。
一方、西洋人は骨盤自体は前傾ですけれど、
踏むとエネルギーが上方向へいってしまいます。
中丹田の身体なのです。
和の身体というのは、踏むとエネルギーが下へ向かいます。
昔の日本人は、和式便器に代表されるように、
しゃがむ動作が多かったために、
踏む力が自然に身につき、腰が入るのは当たり前だったのでしょう。