オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

ハンマーの室伏広治がパントマイム!?

この間、テレビで見たんですけど、ハンマー投げ室伏広治のトレーニングに、パントマイム があるんですよ。いやいや、びっくりしましたね。
まあ、もちろん本人はパントマイムなんて言ってませんけど、明らかにそうなんですから、仕方ありません。

どんなことをしていたかと言いますと、胸の前に空気の塊を想定して、それを両側から手で圧縮するというもの。空気の塊を押しつぶそうとしても、押しつぶせないって感じで。

これで何が鍛えられるのか???ですよね。
ところがどうも、この方法の方が、実際にある何かを挟んで押しつぶそうとするよりも、もっと広い範囲の筋肉を使うことになるようなんです。つまり、局所的な筋肉を鍛えるというより、全身運動になるらしいんです。
プラス、ただの筋量アップではなく、身体を動かす指令神経系が鍛えられるとのこと。

筋量が増えたからといって、優れた運動が出来るわけではなく、その筋肉がどう動いてくれるかが重要なことは、誰でも理解は出来ると思うんですけど、現実問題としましては、このふたつは大抵ばらばらに扱われているんです。
ところが、室伏広治の空気圧縮トレーニングは、このふたつを兼ね備えている、ということなんですって。

パントマイムで見えない「壁」を押したり、見えない「ロープ」を引っ張ったりって、はたから見ると何してるんでしょう?ですけど、実は凄いトレーニングだったんですね。
と、うすうす感じてはいましたけど、こうはっきりと、きちんとしたスポーツの分野で言われますと、やはり嬉しいですね。

特に私の考えるマイムは、本当に物を扱っているのと同じように、力を発揮し伝達するということを最重要視していますから、経験者は分かると思うんですけど、「壁」押しでも、「ロープ」引きでも、本当に1回1回、かなりのエネルギーを消費するんですよ。むしろ実際の生活でも、まずあり得ないようなパワーで押したり引いたりするんですからね。(生徒さんはみんな、よく頑張ってますよ。)

JIDAIマイムではこの筋量アップと、指令神経系の回路作りを、いつもいつも、いろいろな動きでやっていくので、日常生活からスポーツまで、それらの動きが、自然に質もパワーもアップするのでしょう。
先日のコラム(ブログ)で、ミット打ちの話をしましたけど、こういうことなんです。

パントマイムというと、特殊な動きをするものと、思われがちですけど、私のマイムは自然な動きを目指します。
「押す」とはどういうことか?「引く」とはどういうことか?
動きのエネルギーがどこからどうやって生まれ、どこへどのように向かうのか?

これらの自然な流れ、里に叶った流れがあって、始めて自然な動きになるんですね。まあ、いつも試行錯誤です。

と、いうことで、要するに言いたいことはですね、皆さん、パントマイムやりましょうよってこと。人に見せる見せないではなく、まずは自分のために。
何せ、お金の掛からない、エアー筋トレで、動きの質まで良くなってしまうんですから。ねっ!ねっ!