前回、身体の奥を伸ばせるかどうか?が重要というお話をしましたけれど、これは
身体を広げられるかどうか?
ということでもあるんです。
広がられるかどうか?と言われても、ちょっとピンと来ないかもしれません。
多くの人が、なんとなくは広げられても、本格的に全身を広げることが出来ないので、体感を持ちづらいんです。
だからこそ、身体の奥が伸びる感覚も分かりづらいわけですが。。。
広げることが出来ますと、どこまでも伸びていける感覚が生じます。
単純に大きく広げるというのとは、全く違うんです。
単純に大きく広げるといいますのは、広げた先でストップがかかる感じですね。
小さな子どもが、バッ!と両腕を広げた姿を思い浮かべていただけると分かるかと思います。
この広げられない身体でダンスをしますと、やたらと腕を脱力しようとしてしまいます。
広げた先でストップしてしまう感覚があるので、それを起こさないように。
あるいは、このストップの感覚が力み感覚・力みに見えて美しくないということにもなるので、そうならないように、かと。
いずれにしましても、広げられない身体ということです。
この身体ですと、動きに弾力が生まれないんですね。
弾力も、なかなか分かりづらい感覚ですよね。
トランポリン。
トランポリンの布・クッションの弾性、ああいった弾性を身体・動きに持たせられるかどうか?ということなんです。
ジャンプ力ではありませんよ。
この弾性は、身体の奥が伸びるからこそなんですけど、当然、その奥で伸びる部分は強いからこそ、弾性を持てるわけです。
で、この強さがあるから、その外側である身体を広げられる。
強さがありませんと、広げることに対して潜在的に怖さ・不安を感じてしまうのだと思います。戻ってくるところがないために、外へと行けない感じですね。
つまり、広げられない身体の場合、大きく動こうとしましても、奥の伸びを生じさせられるような強さがないために、自分でギュッと固めて強くしてしまう他なくなります。
で、ギュッと固めてしまうから、広がらないし、弾力も生まれない。
なんだか寸詰りな身体・動きに。
これは、堂々巡りになってしまうんです。
では、どうしたら解消できるのか?
基本的には、怖くても広げることです。
前回のお話の中で、奥が伸びないことに対しての内面に言及しましたように、広げるのが怖いのは、やはり内面深いところにある潜在的な抑圧だったりします。
身体を広げるということと、気持ちを開けっ広げにするというのは、通じるところがあるんです。
赤ちゃん、天才に通じていますよね?
奥が伸びない、奥を固めてしまいがちな身体のまま広げるには、脱力しかなくなってしまい、ただ、それは芯のない広がりで、だらしなく緩んで漏れ出ているだけになってしまいます。
そういった広がりではなく、強い芯のある弾性を持ち得る広がりが大事。
前回と同じ結論かもしれませんけれど、潜在的な抑圧を認めることで変わっていくと思いますよ。