さてさて、遅ればせながら、先日のソロ公演作品「それでも・・・」について、ちょっとお話をさせていただこうと思います。
今回、いわゆるストーリーというものは、ありませんでした。
と言って、テクニックを見せるための、エンターテイメント性溢れたもの、というわけでもありません。
抽象といえば、抽象。
何人かの方に言われました。
「舞踏っぽい」と。
けれども、動きは全て具体的にしたつもりです。
ダンスや舞踏のような、抽象的なものはなく、ひとつひとつ(場面、場面)は、何をしているかが、分かるようにしたつもりです。
と言いつつ、やはり、お話を追っては欲しくありませんでしたから、構成的には、「何がどうなって」というのは、かなり分かりづらいようにしました。
左脳の活動をわずかに残しつつ、右脳に切り替えてもらいたかったのです。
お芝居のようにストーリーを楽しむであるとか、歌舞伎やバレエのように、ストーリーを前提として、身体表現を楽しむであるとか、ではなく、また、コンテンポラリーダンスや、舞踏のように、ストーリーを排除して楽しむといったものではなく、
ムンクの「叫び」が、人間の不安・苦悩を描き出し、感じさせるように、
ダリの絵が、写実的な描写で、意識下の世界を描き出しているように、
シャガールの絵が、幻想のようでありながら、内なる現実を描いていたように、
とまあ、かなり大袈裟ではありますけど、そんな感じのものとして、観ていただけたらなぁ・・・と。
「映画のシーンのように美しかった」
「意味は分からないけど、いいなって思う詩みたい」
「1日たって、なんだかこうじんわりと、いい作品だったなあ」
などの、ありがたい声もいただきましたが、どうだったんでしょうねえ???
「いきなり本題に入らない方が、いいのでは?」
「前半、音楽はなくてもいいのでは?」
といった声もいただきました。
良かったと言って下さる声は、もちろん嬉しいですけど、気になったところを指摘して下さる声は、ほんとにありがたいと思います。
言いづらいことを、敢えて言って下さるのは、ただ感謝!です。
最後に、パントマイムはどうも、分かるか分からないかが、評価のとっても大きなポイントになってしまうところがありますけれど、何か心に引っ掛かってくれていればなぁ、と思っています。