オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

お化粧で・・・パントマイムウィーク3作品から

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さあ、作品、作品!
遅々として進まず、すみませんぅ~。。。

3つ目に上演しました『ため息』にしましょう。
これは、と~ぉってもシンプルな作品。

どれも、みんなシンプルなんですけど、この『ため息』は、これ以上どうしようもない、というくらいにシンプル。

「疲れた憂鬱な感じの女性が、お化粧をすると、きらきらと輝き、幸せ~~~って、なるんですけど、お化粧を落とすと、また憂鬱な感じに戻ってしまう」というものなんです。

9分強くらいでしょうか?
立ち位置もあまり変わらず、「☆きらきら~~~っ☆」している時以外は、ほとんど「じーぃっと」した感じです。

恐らく一般的には、ほぼマイムのテクニックを使っていない作品、という感じではないかと思うんです・・・

唯一、お化粧のシーンでの顔・・口紅を塗り、眉を描き、マスカラを塗り、としながら、顔が変わっていく感じのところくらいでしょうか?

(まぁ、これすらも、どう感じていただいていたのかは、分かりませんけど・・・)

ところが、実際には、この『ため息』はかなり難易度の高いテクニックを駆使しているんです。

どの辺が?というのは、ここで説明しましても伝わりづらいと思いますけど、細心の注意を払ってやっていましたのは、やはりお化粧のシーン。

憂鬱なゆっく~りとした緩慢な動きでいながら、化粧道具の扱いがジェスチャーになってはいけません。きちんとその大きさ重さ、キャップのきつさ加減などを、全体の雰囲気を壊さぬよう、ごくごく自然に表現することに留意していたんです。

あとは、たとえば、洋服ダンスからハンガーに掛かっているワンピースを取り出し、ハンガーを元に戻すシーンでしょうか。

ハンガーのフックの感じ、ワンピースをハンガーから外して、腕に引っ掛けたときのワンピースの重さ、そして腕に引っ掛けたまま、ハンガーを戻すときの引っかけ方などなど。

もちろん、こんなことは私側の勝手なことですから、観ている方には分からなくていいんです。と言うより、分かられてはいけないんです。

ただし、もしこれらがジェスチャーのように、質感の伴わない、説明的な動きだったとしますと、この作品から雰囲気が無くなり、ただ、アイデア(女性にとっての化粧)だけが伝わり、観終わった後の余韻は生まれないと思うんです。

と、こんな感じでありまして、シンプルで、動きのない作品ですから、技術的には精度が求められるわけですけど、そんなことより、おそらく見どころは、「☆きらきら~~~っ☆」のシーンですね。

花びらが舞うような雰囲気で、

私、きれいでしょ!素敵でしょ!
お友達と話していても、楽しいし、彼とはと~っても幸せだし・・・ああ、なんて素晴らしいんでしょっ!

知り合いから言われました。
「JIDAIさん、女性のシーン、ほんと生き生きしてましたよね。

そうなんです。私、ほんとに生き生きしてるんです。やっていて、楽しいんですよね。
観ている方が、一緒になって気分が高揚してくれたら、幸せ幸せ。

そして、であればあるほど、お化粧を落とした後の、どんより感も活きてくるというものです。
(まだまだ修行が・・・)

と、唐突ですけど、といった感じの作品でした。ということで、『ため息』はお終い。
とりとめのないお話になってしまい、すみませんでした。。。
また次回。