オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

ポーリッシュマイムをやめることにしました。

オーガニック、有機農法と言いますのは、単に化学肥料をやらないということではなく、本来は
自然界の本質的な力と生命力を最大限に生かして栽培していくということのようですね。

オーガニック・・・
もとはORIGINという言葉で
『生命の』『本来の』『根源的な』といった意味があるそうです。



ところで私JIDAIは、ポーリッシュマイム、ポーリッシュマイムと言っておりますけれど、ステファン氏のお話の中で、びっくりしたことがありましたわ。
氏曰く、


「私のはポーリッシュマイムではない。」

おおっ!???

どういうことかといいますと、今回私と同じワークショップとプレゼンテーションのために招かれていましたマレック氏、この方はトマシェフスキー・マイム劇場の芸術監督でありアクターなんですけれど、この方のマイムがポーリッシュマイムだというのです。


ステファン氏はニューヨークでの活動時代に、ドゥクルーなどとの違いを表すために、あえてポーランドのマイムということでポーリッシュマイムと謳っていただけとのこと。

確かに、マレック氏のマイムはステファン氏のものとは、かなり異質な感じでしたね。
さらに、トマシェフスキー・マイム劇場の過去の作品を映像で見ることができたんですけれど、時代によっても違うようでして、最近のものはやはり、かなり異質でした。。。



ステファン氏もかなり前にはそのトマシェフスキー・マイム劇場のトップアクターとして活躍されていたんですけれど、トマシェフスキー氏の方向性が変わってきたために、独立したとのことですから、その後のトマシェフスキーのマイムが今のマレック氏らのポーリッシュマイムとして引き継がれているのでしょう。

そういった意味で、ステファン氏のマイムはポーリッシュマイムではなく、ニューヨーク時代に築き上げた独自のものといえるようなんです。



となりますと、私のいうポーリッシュマイムといいますのも、あくまでステファン氏の流れのものでありますから、ポーランドのマイムという枠で考えるものではないということなんです。



良かったわぁ。。。


と思うんです。
私いつもお話ししていますように、これまでポーリッシュマイム(つまりステファン氏のマイム)をスタイルとしては捉えていませんでしたし、私の作品は全くポーリッシュマイム(つまりステファン氏)的ではないけれど、本質はポーリッシュマイム(ここでもつまりステファン氏)だと思ってきていましたから。

では、何がマイムの本質か?
ステファン氏も私も(私も・・・って、ステファン氏と同列にしてしまうなんて。。。)、何をもってマイムとしているのか?
それは、

内側の変化が動きとして現れる

ことにつきると思うんです。



内側といいますのは、肉体的なことはもちろんですけれど、感情や意識といったもののことでして、その変化が身体を中から押し出すようにして動かし、形(ポーズ)が変化するというこなんです。


ムーブメントシアターやいわゆるダンスとの大事な相違点です。もちろん、ジェスチャーなどの身振り手振りとは全く異質のものになるわけです。


(マイムの中にこれらの要素があってはいけない、ということではありませんよ。実際、今回の国際ワークショップの講師として招かれていましたフランスの方は、ムーブメントシアターの方でしたしね。)



そして先日もお話ししましたけれど、変化とは生命です。


マイムとは何かを説明するといったものではなく、また動きを見せるものでもなく、生命の姿を浮かび上がらせるもの。


とまぁ、そんなわけで、今後はあまり私のマイムを「ポーリッシュマイム」という言葉で言わないほうがよいかな、と思うんですよね。


かといいまして、JIDAIマイム」といいますのも、なんだか私の個人的なスタイルのような感じになってしまいますしね。。。


そこで、ステファン氏がマイムについて語るときに、必ず出てきます言葉から、そして私もマイムを語る時にキーワードとなっています言葉から、



『オーガニック・マイム』


としたいと思います。
これは、有機的繋がり生命的自然界の本質的な力生命力といった意味合いです。




『オーガニック・マイム』では



見に見える身体の変化は、
目に見えない生命、つまり感情や意識、心の変化によって初めてなし得るものであり、
そこでは動きが目的ではなく、
自我を捨てた生命そのものをくっきりと浮かび上がらせることが重要となるのです。



ひとことで言いますと


『オーガニック・マイム』とは生命。



さあ! 『オーガニック・マイム』の幕開けです。