オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

入る・・・マイムです。

きのうはとてもいいレッスンになりました。
(いつも、いいレッスンなんですよ。。。)

このところ何度か出てきましたキーワード


『中に入る』


このことを自覚的に体感してもらえ、

さらに、お互いのその姿を見て分る、感じるということが出来ました。


もちろん、『エモーショナル・ボデイワーク』の時間では「中に入って」いるわけですけど、
感情的な表現ではなく、抽象的な何でも無い動きでの「中に入る」といいますのは、
やはり簡単でないんですよね。

ただの動きですと何しろ、動きに気持ちがいってしまいます。
きれいに動こうでありますとか、きちんと動こうということでは、決して「中に入れ」ません。
かといって、ただ一生懸命すればいいというものでもないんですよね。



ある意味、瞑想がうまくいったというような状態。
瞑想状態になりながらも、外にも内にも開くことのできる状態。

ただまぁ、「瞑想」なんて言葉を使いますと、やたらと難しそうな印象になってしまいますし、怪しい感じがしてしまいますけれど、役者さんの良い演技といいますのは、そんな状態だと思っていただければいいかしら、と思います。


いわゆる演技ではなく、抽象的な動きの中でこの状態になり、なおかつ動きも心もコントロールしていくといいますのは、やはり高度なことといって良いと思うんです。

ダンサーが振り付けはそのままに、舞踏の心で踊るといったところでしょうか。


私たちのマイムはこれがベース。

基礎という意味ではありませんよ。
このベースが出来るまでが大変。一度や二度レッスンの場で出来たからいいというものではありません。
あらゆる動きにおいてその状態になれないことには、ベースとはいえませんものね。

で、このベースが出来てからがマイムになれる可能性が開かれているわけで、それまではまだマイムではなく、ムーブメント



ムーブメントは動きを見せるもの。

マイムは動きを見せない。


なんだか禅問答のようですね。
わけ分らないですよね、マイムが動きを見せないなんて。


けれど、このあたりのことを昨日のレッスンでは、お互いによく分ったということなんです。
ひとつの何でも無い動きが、それも特に何かを表現しようというのではない動きが、豊かな表現に見えるんです。


想像力を刺激されます。

見ている人は呑み込まれます。



それこそ、何も無いのに、全てがあるかのようです。


いえ、何も無いからこそ、全てがあるのでしょうね。


マイムです。