オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

何を感じているか?を認識する

何を感じているか?を認識する。

これは意外に意識していないことではないでしょうか?

感じることと、それを認識することとでは全く違いますでしょ?

感じるというのは、ほんとにただ感じるということで、1人称的ですけれど、
それを認識するとなりますと2人称的。
もう1人の自分が自分を見ているということで、
つまり自分の感情を相対化して俯瞰するということになりますよね。

例えば、
「痛い!」と思うことと、「痛みを感じているな」と思うこととの違い。
「嬉しい!」と思うことと、「嬉しさを感じているな」と思うこととの違い。


私たちのマイム、オーガニックマイムではこの「何を感じているか?を認識すること」が、
とても重要でして、絶対!!に欠かせない要素なんです。

パントマイムの練習といいますと、テクニックや変わった動き、何かをイメージして動くということをしているように思われるかもしれませんよね?

けれど、そういった肉体的訓練やイメージ力アップ訓練をしていたのでは、オーガニックマイムにはならないんです。
全くなりませ~ん!


仮に重たいものを持っているというマイムの場合、
本当に重たさを感じている自分がいるかどうか?をきちんと認識しなくてはいけない。

恐怖を表す場面で、怖い!と思うのではなく、
怖さを感じている自分がいるかどうか?を感じ取っていなくてはいけない。


重たいものを持っているというマイムは、
こういう体のポジションで、こういうテンポ・リズムでといったことではないんです。

怖い!というものが、
こういう顔の表情で、こういう体のポジションで、こういうテンポ・リズムでといったことではないんです。

そういったことは参考にはなりますけれど、それは答えではないんです。

答えは自分の外には存在しません。
自分の中にあり、自分にしか分りません。

それが、「何を感じているか?」につながるわけです。

何だか、当たり前のことのようですけれど、そうでもないんですよ。


例えばひとつ、ここで厄介なのが、イメージなんです。

変にイメージ力を使ったりしますと、
本当は感じていないのに、感じてると思ってしまうんですね。
それは、頭の中で妄想していて、
身体が切り離されてしまっているときに起きます。

「何を感じているか?」は身体の出来事であって、頭の中の出来事ではないんです。


例えば、怖いというのは、心臓がドキドキしたり呼吸が浅く速くなったり、筋肉が硬直したり視野が狭くなったりすることですよね?

逆に、心臓がドキドキして呼吸が浅く速くて、筋肉が硬直し視野が狭い状態で、「リラックスしています」って言っても誰も信じませんよね?

イメージが悪いわけではないのですけど、イメージはあくまで身体に変化を起こさせてこそ!のものだと思うんです。

ですから、身体の様々な変化・状態を感じることでイメージが自然に浮かんでくるようにしたいんですね。


それにですね、イメージして動いたのでは、遅いんです。
頭で思い浮かべてから身体に命令が行くことになりますから、
「今」を生きていないことになってしまいますでしょ?
頭の中に蓄積されている過去のデータを元に、未来を先取りするような行為ですからね。

身体に起きていることを感じるというのは、「今」の一瞬、一瞬を感じるということ。
過去でも未来でもありませんでしょ?

日常生活の中で、常にこれを実践していければと思うんですけど、
少なくともマイムをしている時は常にそうありたいと思いますし、
そうあって初めてオーガニックマイムといえると思うんです。

オーガニックマイムにおいてマイムをするということは、
感情や感覚のまっただ中にいながら、自分を観察をし続けていく
ということでもあるんです。

自分の身体との対話、自分の心との対話ですね。

なんだか大袈裟ですか?

でも、だからこそ楽しいんですよ~!



マイムから心と身体の平和を


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