オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

ゾーンに入っていることが前提?

ステファン・ニジャウコウフスキ来日公演に参加下さった、
今はメキシコで活動しているテリー・プレス氏。我が恩師でありますが、
ほぼ7年振りくらいに色々と話をしました。


テリーさんの元を離れてから自分なりにマイムを追求してきたわけですけど、

このマイムの一番重要なポイントである、

個ではなく普遍的な在りよう、ならびに呼吸と動きの一致

といったものについて、
こう言っては何ですが、

同じ地平で話ができたことに、大きな喜びを感じました



これは知識的なものでは全く意味を成さず、

本当に体現できて初めて語れる言葉

というものがあるんですね。
それを共有できたということなんです。

7年前の自分では、おそらくまだ知識に依る

ところがあったと思います。


テリーさんが伝えようとしていたマイムを、
借り物としてではなく、自分のものにできていたということを、あらためて確認できました。


生意気な言い方になりますけれど、
テリーさんも私とそのように話ができたことを、喜んで下さっていたように思います。
テリーさんにマイムを習い始めたのが17年前。
ようやくといったところですね。



ところで、さらに、なのですが、
今回の公演最終日にゲストでお招きした長田夏哉先生と齊藤つうり先生との、
公演後日の個人的なお話の中で、


自分が何をしていて、何を教えようとしていたのかが、

はっきりと分かったのです!


しかもそれが実は、このマイムの肝、つまり

「普遍的な在りよう、呼吸と動きの一致」とつながっていた

ということも分かりました。




このマイム、アートマイム、オーガニックマイムが何をしているか? 

ひと言でいいますと、


ゾーンに入る


だったんです。



そして、私がクラスで教えようとしていたことは、


ゾーンに極めて入りやすい状態の作り方

(ゾーンへの入り方と言いたいところですけれど、そこまで言い切る確信はないもので・・・)


ゾーンに入った状態で、それを十全に活かせる身体を作ること


だったんです。



まぁ、こんなこと言いますと、何をバカなと思われるでしょう。
あるいは、何様のつもりだ!かもしれません。

それでも、やはり敢えて宣言してしまうことにしました。



私がこれまでずっと言ってきたことが、どうにも伝わらないという感覚があったのですが、
それはこのせいだったんだと、分かったんです。


例えば、お芝居ということで見てみますと、お芝居をされている方は、

舞台で一瞬でもゾーンに入れたらいい、入りたい、
と思っていられるようなんですけど、

私はといいますか、このマイムはといますか、

ゾーンに入っていることが前提なんですね。

その上で、何をするか?

なんです。



で、身体の方ですけれど、
いくらゾーンに入っていたとしましても、身体がそれを活かせるだけのものになっていなければ、
ただ、ゾーンに入っているというだけのことになってしまうんですね。

ゾーンに入ることとスーパーマンになることとは違うんです。

何だか、ゾーンに入ったら何でも出来るように思われるかもしれませんけど、
そんなことはありませんで、私がいくらゾーンに入ったといいましても、
テニスで錦織選手に勝てるわけではありません。
当たり前ですね(笑)



ゾーンに入っている状態というのは、
自分が自分でなくなり、宇宙とつながった状態なものですから、

身体の方も出来るだけ宇宙の法則に則った使い方

を身につけているほうが、断然有利なんですね。



下手に筋トレやストレッチなど、頭でっかちに身体を作ってしまいますと、

そもそもゾーンに入りづらいでしょうし、

入ったとしても十全には活かせないと思うんです。




ひとつ分かりやすい例を。

私のクラスには、運動が嫌いだったという人が何人かいるんですけど、
そういう人に限って、レッスン中に何度も
「気持ちいい〜〜っ!」
って言うんですね。

一方、運動には慣れている、得意な人、一見動ける人が、
「きつい。。。」と。


しかも、前者のほうが、動作も決まるんです。
後者は本人も自覚してますけど、どうもしっくりこない。
そんなことが多いんですね。


これも、結局のところ、クラスで行なう運動が宇宙の法則に則ったものなので、

そこから外れた運動をしてきた人や、頭で考え過ぎる人には、

きつかったり、大変だったりするのだと思います。


以前紹介しましたけれど、

絵を描かれる人がレッスンの後だと、すごくいい絵が描けると。

これも、分かりますよね。



もうひとつ。

クラス生でエネルギーワークのようなものに関心の強い人が、

イギリスかな? その手のメッカのようなところに滞在した際、

メビウスの輪の呼吸”を紹介したところ、

「これは凄いエネルギーだ!!」

とすごく喜ばれたという話も聞いています。



この”メビウスの輪の呼吸”も、
先ほどの前者の人のほうが、その本質を体感しやすく、
後者の人にはただの呼吸を伴った運動になりがちといったことがあります。



で、またお芝居といいますか表現のお話に戻りますと、
私の大道芸に「ウィッチ・クラウン」というのがありまして、
まぁ、魔女といいますか魔法使いのお婆さんといいますか、そんなものを演じているんですけれど、
よく言われますのが、

JIDAIではなく、魔女そのものがいるように感じる。」と。

これは「赤鼻のピエロ」でも言われます。

そして「周りの空気が違う。」と。



自慢ということではないのですが、舞台ならまだしも、

大道芸というアクシデントが常に待ち受けている場で、
キャラクターでい続けるというのは、

かなりハードルが高いんですね。
何かの拍子に、素の自分が出てしまう。。。
けれど、私の場合はそれがない。(と言われます。)



アートマイム、オーガニックマイムはもちろん、表現にしても身体の使い方にしても、
これまでどう伝えても何かベールが掛かって、届かない感じがあったのですが、
これらのことを、”ゾーン”をキーワードにすると、すっきり!
ベールが取れそうな気がします。


長田夏哉先生と齊藤つうり先生は、その方面のスペシャリストでして、
そのおふた方とのお話から、この理解の仕方に至ったことは、私にとりまして本当に大きな収穫です。
(ありがとうございます!)



そして、何より重要なことは、

私がこれらのことに対して、元々持っていた能力ではなく、

後天的に身につけて、

今も進化中であるということなんです。



”エモーショナル・ボディワーク”は、今こうして考えますと、
それを伝えるための1つの手段だったんです。

メビウスの輪の呼吸”しかり、ですね。


だれもが、ここに至ることが出来る!

その方法を私は教えているということなんです。

大袈裟なことではありませんけど、大事なこと。




そして、ここまでのお話を読んで下さった方には、私が記事の最後にいつも付けている

「マイムから心と身体の平和を」

の言葉の意味が、分かっていただけるのではないかと思います。


アートマイム、オーガニックマイムは自分という個人を表現するのではなく、
宇宙とつながった状態になることで、「私とあなた」という関係が無くなり、

私はあなたであり、あなたは私であるという状態になることが前提

なんですね。

(目的ではなく、前提! ここ大事で〜す。)

これまでずっと、「観客を世界に巻き込む」という言い方をしてきましたよね。


ここを前提に、マイム作品として提示していくわけです。



ですから、マイムから心と身体の平和をと言った場合に、重要なのは、
マイムをすること!
マイム(アートマイム、オーガニックマイム)をする、即ち、宇宙とつながる。
なんです。


ステファン・ニジャウコウフスキが、舞台芸術において、
演者という人間に焦点を当てて、マイムを追求した結果が、ゾーンに入っていること、
即ち、宇宙を通して私とあなたに区別が無くなる状態になることを前提とした、
アートマイムだったというわけです。


アートマイム、オーガニックマイムの肝である

「普遍的な在りよう、呼吸と動きの一致」は、

ゾーンに入っているわけですから、

ある意味、当たり前なんです。



私はそれをテリーさんを通じて学び取ったわけですから、
次に伝えていく役割を担っていることになります。


それは、マイムに限るわけではありません。
今回のお話のマイムの前提となっているところは、分野は関係ありませんでしょ?
特別何もしていないという人にも有用なことですよね?



最後に…興味をもっていただけた方のために、私のクラスの概要を。




身体、運動面ならば、
JIDAIクラス」「JIDAIメソッド」「JIDAIメソッドTBC」「身体塾」


表現面では
「総合基礎クラス」「自己整体真呼吸クラス」「アクトクラス」
「プロフェッショナルクラス」



JIDAIメソッドTBC」はゆっくり丁寧に身体に向き合います。(骨格模型も使いながら)

JIDAIクラス」はTBCを踏まえて、しっかり動いていく感じ。より実践的。
マイムテクニックも。

JIDAIメソッド」は上記2つの中間。日中60分。

「身体塾」は屋外の自然溢れる広々したところで、マイム要素の無いJIDAIクラス的運動。
JIDAIクラスよりゆったり目)



「総合基礎クラス」はマイム表現、テクニックも交えて全体を網羅。

「自己整体真呼吸クラス」はTBC的。プラス感情(内面)表現。

「アクトクラス」は「自己整体真呼吸クラス」での内容を実践的に。
(作品を演じることを前提に)

「プロフェッショナルクラス」はアクトクラスとほぼ同じ。(作品づくりも)


プライベートでのレッスンはいつでも。






Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!




マイムから心と身体の平和を


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日本アートマイム協会

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