オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

「立つ」「歩く」を楽に行なってこそ。

立つって結構難しいんですよね。
誰でも立てますけど、以外に誰も立てていないもんなんです。


歩くのも、よく軸を倒すなんていう言い方も聞きますけど、
やっぱり難しい。
(歩くというのはいかに移動しながら立ち続けるかということでもありまして、やはり立つということがとっても大事になってくるんですよね。)



どうでしょう?
皆さん、
「上手に立てていますか?」
「上手に歩けていますか?」
なんて、あらためて聞かれますと、ちょっと困ってしまいますよね?


けれど、
「そんなに上手でなくても特に困っていないし。」
あるいは
「上手って何?」
というのが実感ではないかと思うんです。



特に、スポーツをされる方ですと、
立ち方や歩き方よりももっと練習しなければならないことがたくさんあるでしょうし、
ダンスをされる方でも、
振り付けの練習に時間を割かなくてはいけなさそうですよね。


ウォーキングやランニングをされる方はどうでしょう?
私の知っている範囲では、距離やスピード、時間といったことを重視しているような感じがします。


役者さんですと、踊りや殺陣を習われているかもしれませんけれど、
それは特殊な動きの訓練という意味合いが強いかもしれません。


私はマイムですけれど、一般的にマイムといいますとスポーツやダンスほどの身体トレーニングはしていないようですし、たいていはテクニックなどの特殊な動きの練習にわずかながら時間を割いているのかな?という感じです。



スポーツでも踊りでもマイムでも何でも、それ特有の動きというのがありますから、
それはとても大事なんですけど、その土台といいますか大もとになっているのは、
やはり


「立つ」「歩く」


なんだと思うんですね。


ですから、これは上手かどうかということが、
きれいにといったことではなく、純粋に身体の使い方のこととして考えたほうがいいんですね。



基本は、どれだけ身体に負担を掛けないで立てるか?歩けるか?ということになります。
(あくまで「基本は」です。)


スポーツでも踊りでも、
同じパフォーマンスを発揮するのに、どれだけ楽に出来るようになるか?ということにつながってくるんですね。


「立つ」「歩く」が下手でも、筋力や柔軟性でカバー出来てしまえますし、
筋トレやストレッチをするほうが、練習しやすいとは思いますけれど、
下手さを筋力や柔軟性でカバーする、つまり身体に無理をさせることでカバーしていきますと、
やがてケガや故障、スキルの頭打ちにつながってしまうのだと思うんです。



さて、どれだけ身体に負担を掛けないで立てるか?歩けるか?ということですけれど、


負担を掛けない=楽


だったらいいんですけど、そうはいかない。。。
残念。。。


もし楽ということでしたら、今の自分の状態が一番楽なはずなんです。
普段、無理をして立っていますか?無理をして歩いていますか?そんなことありませんよね?
けれどその楽な立ち方、楽な歩き方が実は身体に変な負担が掛かっていたり、使わなさ過ぎのところがあったりしますから、
本当の意味での楽な動きをするには、
今の身体に対しては無理をかける必要が出てくるんです。



楽になるために、どんな負担を掛けるのか?


これが、その後(特殊な技術など)の全ての稽古のあり方にもつながってきます。


大事にしたいですね。






マイムから心と身体の平和を  http://www.geocities.jp/mime_jidai/