オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

四足歩行で見直せる?身体の使い方

四足歩行をされたことありますか?


四つん這いになって、ただし膝は床、地面につかずにですね、歩くんですけど、
これが思った以上に楽しく、それでいて、
その人の身体の使い方に対する無意識の思考が強く現れてきまして
とても面白いんです。



ご存知の方も多いと思いますけれど、
「原始歩き同好会」というものを月に1回のペースでやっていまして、
毎回、10名前後、何名かの固定メンバーと数名の初参加者で行なうような感じなんですね。
(1回きりという方は、稀ですね。)


会場(?)である代々木公園中央広場というところは、
何をしていても、誰も気に留めないような雰囲気と広さがありますから、
私たちも気兼ねなく楽しく出来るんですけど、
四足歩行とひと言でいいましても、ただ歩くだけではなく、
早歩きやギャロップのような走りをしたり、
あるいは爬虫類のように、腕と脚を大の字よりももっと広げて”土の字”になって、
出来るだけ地面すれすれ平べったくなって、歩いたり早歩きしたり、
その他のバリエーションも楽しんでいるんです。


で、まぁ、一番オーソドックスな四足歩行ですけれど、これが、人それぞれなんです。


ただ四つ足で歩くだけで、そんなに違いがあるの?って思われると思うんですけど、
相当に違うんですね。



例えば、運動をしていてしっかりした体の男性と、ほとんど運動経験の無い女性。
一般的には男性の方が楽々こなして、女性は大変だろうなぁと思いますよね?
けれど、意外にそうでもないんですよ。


そういった男性は筋肉頼りなんでしょうね。あっという間にヘトヘトになってしまうんです。
ほぼ、匍匐(ほふく)前進状態なんですね。自衛隊の訓練のような感じになってしまうんです。


逆に女性は、部分的な筋肉に頼れないからでしょうけれど、結構スルスルとやってしまうんです。



簡単な言葉で言ってしまいますと、
前者は部分的動作で動きが固く、後者は全体的動作で動きが柔らかい。
(もちろん、男性、女性という分け方になるわけではなく、人それぞれではありますよ。)



で、最初に申し上げました
「その人の身体の使い方に対する無意識の思考が強く現れて」くるというところですけれど、
匍匐前進状態になってしまうというのは、
身体の使い方が筋力頼りになってしまっているんだろうなぁ、
特に腕の筋力頼りになっているというのは分かっていただけると思います。
そして脚の筋力頼りの方は、「脚で体を運ぶ」「地面を蹴る」というところに現れてくるんですね。



普通に立った状態で歩くとき、ランニングのとき、
よく「重心の移動で進んで行くんだ」と言われますけれど、
本当にこの重心の移動で歩けているのか?走れているのか?
それとも脚で体を運ぶようにしてしまっているのか?地面を蹴ってしまっているのか?
そこのところが、四足歩行をしますと否応なしに出て来てしまうんですね。



普段、脚で歩いてしまっている人は、

四足歩行でも腕や脚で進もうとしてしまうんですね。


「身体の使い方に対する無意識の思考」といいますのは、つまり、
頭では”重心の移動で前に進む”のが良いとわかっていたとしましても、
身体の方では”脚で体を運ばないと前に進めない”と思っているということです。


ですから、四足歩行になったときに、腕や脚が頑張ってしまう。
腕や脚が頑張らないと前に進めないと、身体が思ってしまっているので、
腕や脚楽に使うということを、身体が許してくれないんですね。



ところで当然のことながら、腕や脚を楽に使うためには、体幹の力が必要になってくるんですね。
では、体幹を鍛えている人が上手く出来るかと言いますと、そんなことはないわけです。


その人の「身体の使い方に対する無意識の思考」が、
脚で地面を蹴ったり押したりしないと前に進めないと思っていますと、
体幹が強くても、運動経験のほとんど無い女性よりスピードも遅く、
早くにへばってしまうことになるんです。


意外な感じがしませんか?


世の中では体幹を鍛えることの重要性、素晴らしさみたいなものが言われていますよね。
残念な言い方になってしまいますけれど、
体幹が強いだけでは、あまり役には立たないということなんです。



「身体の使い方に対する無意識の思考」を変えていく必要があるんです。




さて、四足歩行。
誰でも簡単に老若男女問わずに出来ますから
ぜひ多くの方にやってみていただきたいなと思うんです。
広い公園でやると分かりますけれど、とにかく楽しい!
理性を横に置いておいて、自然との一体感を味わえます。
”夢中”という楽しさを無理なく自然に味わえます。



それでいて、「力を抜く」「体幹を鍛える」「重心の移動」「全身の調和」といったものが、
本当はどういうことなのか?を身体で味わえます。



自分の「身体の使い方に対する無意識の思考」と向き合うのにも、
四足歩行は絶好の機会だと思います。


どうですか?ぜひ!





Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!




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