重心移動！！！
代表的なものがランニングのレッスンになるかと思いますけれど、
よくある説明に
「体を真っすぐにしたままで前方に倒れる（前のめりになる）、棒を倒すような感じで、
そうすると、勝手に足がついてくる」
というもの、ありますでしょ？
これ、本当？
確かに、倒れるのを防ぐために足は出ます。
けれど、これで走れます？？？
私はこういうった、
一見もっともらしいのに、本当に使えるの？といったものが、嫌…
といいますか、実際問題として使えないので困ってしまうものですから、
自分でいろいろ研究しているのですけど、このよく言われる方法の嘘を暴く！（笑）
・・・なんて、タイトルにも「嘘」なんて書きましたけれど（笑）、
まぁ、ちょっと考えてみましょうということです。
人は倒れそうになったら、確かに足を出します。
倒れるというのは、恐い。
恐いから倒れる先に足を出す・・・
もちろん、それは、やむを得ずでの行為。
さて、このやむを得ずの行為を、
「筋力で押し進むのではない、自然なあるべき重心移動の姿」
としているわけですけれど、
何度も言いますように、倒れるというのは、恐い。
ですから、まず、倒れないようにしてしまうんです。普通は。
そして、人間の体は棒ではありません。
いろいろなところで曲げたり反ったり、力を入れたり抜いたりできるんです。
ですから、
このよくある考え方の下では、
お尻を引いてしまったり、つま先でいつまでも倒れないようにという力を、
ついつい働かせてしまうんです。
この「ついつい」がくせ者です。
ほぼ無意識なんですね。
走ること（前に行くこと）よりも、止める動きをしてしまう・・・
そんな考え方、役に立ちますか？
頭で納得していても、身体は納得していないんですよ。
さらに、重要な間違いが引き起こされます。
それは、この方法では、自然に足が前に出るわけですけれど、どこまで前に出ると思われます？
試してみますと一目瞭然ですが、頭とか腰の真下ですよね。
少なくとも頭より前方には行きませんでしょ？
この重心移動の方法では、足は上体についてくるだけ。
要は、「おっとっと」とつんのめった形にしかならないんです。
つんのめった、その勢いを活かすのだとしましても、
所詮これは恐怖を伴った動きですから、
無意識的に、「止まろうとする働き」を生み出して（内在させて）しまいます。
その恐怖心を克服しろ！ということでしょうか？
オリンピックレベルの優れたランナーでも、足は必ず頭よりも前方に振り出されていますよね？
（だからといって、膝下を故意に前方に伸ばすような走りは禁物！）
マラソンランナーは２時間以上もの間、
倒れる恐怖心と戦い続けているわけではありませんよね（笑）
さらにさらに、
棒のように倒れるとしますと、
体を固める必要がありますでしょ？
固めてはいけません。
固めた上で動こうとするのは、やはり無理があります。
（動いている最中に、固まる必要のある箇所は必ずあるのですが、
その箇所は刻一刻と変化するのが自然。と考えたほうがいいと思います。）
※『体幹の鍛え方の間違い』を参考にして下さい。
ここで、少し違った分野から、この重心移動を見てみましょう。
例えば、スキーのジャンプ。
これは、まさに、見るからに、
「体を真っすぐにしたままで前方に倒れる、棒を倒すような感じ」で
前方に飛んでいますよね。
けれど、これ、体を棒のように固めて倒れているのではないらしいです。
マット運動の前転の要領とのこと。
これは、四足歩行も同じ原理ですから、よく分かります。
（四足歩行を始めるよりも、随分と昔に「坂を転がるように上る」（下るではなく）と
ツイートしたことがあるのですが、同じことです。）
固まっているように見えるだけで、実は動きが内在しているんです（エネルギーがある）。
とまぁ、体を棒のように倒すことで生まれる重心移動というのは、
私の考えでは百害あって一利無し。
（ちょっと大袈裟？）
では、どうやって重心移動を生み出したらいいのか？
（ちなみに、体を棒のようにすることと、棒のようになった感じがするのとは、全く異なります。）
では、次回。
１１月１７日 『刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ』
１１月２４日 『呼吸力 こきゅうぢから』
１2月１日 『間違わない体幹の鍛え方』
１２月１１日 『脚の無意識最適化と螺旋 ＜動作塾＞』
１2月１８日 『間違わない体幹の鍛え方』
来年 １月２７日
『マイミクロスコープ
〜夜のアートマイム劇場〜』
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ！
