オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

土台の扱い、要注意!?

発声に関する重要なことを発見し、声の上級編ワークでお伝えしてきたのですが、

ここにきて、また一つ大切な気づきがありました。

 

このワークにはプロの声楽家の方が複数名参加されていまして、

内容に対しては絶賛していただいており、

ある声楽家の方は、「JIDAIさんが歌の指導に必要だ」

とまで言ってくださっていたんですね。

 

ありがたいことです。

 

で、ただ不思議なことにと言いますか、

面白いことにと言いますか、

実は、プロの声楽家の方々は、このワークに対応しきれていなかったんです。

 

(貶める意図はありません。最後まで読んでくださいね。)

 

対応しきれていないけれど、発声の肝になるワークだということは身体的に分かる。

そういうことなんですね。

 

 

これ、どう解釈したらいいのか?

分からなかったんです。

 

皆さん、どう思われますか?

 

 

何だか、この話からしますと、

その声楽家の方たちは、実はあまり良い発声ではないのでは?

と思われる方もいると思うんですね。

 

もちろん、今よりももっと良くなる部分はあるのかもしれません。

けれど、それはどれだけ優れた人でも、上達の余地はあるでしょうから、

良い発声ではない、ということではないと思うんです。

 

 

結論から言いますと、

私の発見した発声の土台中の土台とは、

身体運動でいうところの「体幹」だったということなんです。

 

 

(発声でも体幹が大切というお話ではありませんよ。)

 

 

身体が自然に上手く使えている人というのは、

無意識のままに体幹が使えている、機能しているのだと思うんですね。

 

けれど、無意識なわけですから、より高いパフォーマンスをと思っても、

体幹をどうするか?みたいなことは考えないために、

昔は体幹レーニングなんて無かったんだと思うんです。

 

つまり、何をするにしても、自然と体幹が機能するので、

体幹だけを特別取り上げて鍛える必要が無かった。

 

ところが、体幹が使えていない一般の人は、

そういった人と同じトレーニングをしても、当然、体幹が機能しないままに行ないますから、

成果が出ない。どころか、かえってケガをしやすくなったり、

悪影響が大きくなったりしたのでしょうね。

 

で、ある時から、体幹が重要だぞ!となり、

体幹を鍛えるとパフォーマンスが上がる!となったんだと思うんです。

 

 

でまた、これ面白いことに、

うろ覚えなんですけど、体幹レーニングの代表であるピラティス

まだそれほど普及していない頃、

一流のアスリートにピラティスを体験してもらうという企画が紹介されていまして、

みんな苦戦していたということがあったんです。

 

当時の私は、一流といえでも、アウターマッスル優位で、

インナーマッスルが使えていないのかな?と思っていたんですけど、

これは、違う解釈が必要なのではないかと

今回の発声の件で、考えが変わったんです。

 

 

お話、長くなりますけど、一気に行きますね。

 

 

発声の肝の方ですが、その後の私自身の歌声開発によって、

非常に良い具合になったんですね。

 

そうしますと、その肝の部分は、意識から消えていくんです。

 

意識を向ければ、働いていることは分かるんですけど、

取り立てて働かせていない。

もちろん、働いていないとダメな発声になる。

 

つまり、

この発声の肝は、身体が自然に上手く使えている人の体幹と同じでは?

ということなんです。

 

としますと、プロの声楽家の方たちは、

歌声として発声する際には、無意識に当たり前に発動していて、

けれど、無意識に発動するがために、

そこだけ取り出して使おうとすると、動かない。働かせ方が分からない。

 

一流のアスリートがピラティスに苦戦したのも、

身体全体を使うときには、自然と働いてくれている体幹を、

個別に体幹だけ取り出して働かせようとしても、身体が戸惑う。

 

そういうことなのではないかと思ったんです。

 

 

身体が上手く使えない人にとっては、全体を使おうとすると、

むしろ体幹が働かずに腕や脚になってしまうので、

腕や脚の働きを抑えて、体幹だけに焦点を当ててトレーニングすることで、

全体の動きが良くなるんでしょうけれど、

もともと上手く使えている人にとっては、このように分解した動作は、

本来必要がないので、すぐには対応出来ないのでしょう。

 

発声に関しましては、私の発見した肝によって、

多くの一般の方やアマチュア声楽家の方々は、

一様に声が圧倒的に出しやすくなったと感じていまして、

さらに面白いことに、

歌ではなく、普通の喋りでも声が出やすくなっているんです。

 

一般的に、話すときの発声と歌の発声は同じではないのですけど、

プロの声楽家でない人には、歌でも喋りでも出しやすくなったということは、

やはり(歌声限定ではなく)発声の土台中の土台であったと言えると思うんですね。

 

もともと、センスのある人は自然にやっていることだろうということで、

お伝えしていた、この発声の肝ですが、

まさに!だったわけです。

 

 

やはり、このような土台というのは、

センスのある人たち(プロの声楽家、一流のアスリート)は無意識に働いていて、

私を含め、一般の人は学ばないと働いてくれない。

土台が働かないために、上達がすぐに頭打ちになる。

 

そういうことなんですね。

 

さて、では無意識に働かせるセンスのある人たちには、

体幹レーニングや私の発見した発声の肝が必要ないか?と言えば、

それは、また違ってくると思っています。

 

ここ、つまり土台を分かっていますと、より高いパフォーマンスを求めてトレーニングする際に、

間違ったやり方にならずに済むはずです。

強度の高いトレーニングは、土台との結びつきが外れやすくなります。

一般の人と同じです。

一般の人も、日常生活くらいの強度の動きであれば、体幹と結びついています。

強度が上がると外れてしまうのです。

どれくらいの強度までなら土台と結びついていて、どこからだと外れるか?

ということですね。

 

 

ですから、

何が本当の土台かを分かった上で、強度の高いトレーニングを積むのと、

そうでないのとでは、結果が違うのは当然ですね。

 

それと、もう一つは、土台が分かっていると、スランプになりづらいでしょうし、

なっても立ち直りが早いと思うんです。

 

無意識で働いていて欲しい土台。だからこそ土台。

土台は極めて重要!

ということです。

 

 

ちなみにですが、

体幹は土台中の土台ではないと思っています。

単なる土台です。

私の言う発声の土台中の土台、肝に相当する身体運動の土台中の土台は、

そんな漠然としたものではありません。

 

 

 

さて、この土台や土台中の土台、良いことばかりではないかもしれません。

 

センスの良い人が、こういった分解した形でトレーニングをしますと、

全体性を見失う可能性が無い、とは言えない。

 

無意識に自然に発動していたものを、わざわざ意識に上らせることで、

不自然になってしまう可能性があります。

 

 

この全体性に関しましては、

一般の人の体幹レーニングでも同じです。

単に体幹が強くなることで、パフォーマンスが上がっただけで、

全体性、連動性とは関係ないかもしれませんから、

気を良くして強度をあげますと、

体幹レーニングが身体をバラバラにしてしまい、

上手くいかなくなると思われます。

 

常に全体性は大事です。

 

で、それでもやはり、一般の人には、土台中の土台がありませんと、

そもそも全体になっていないことは確かですね。

 

そして、センスのある人が体幹レーニングをすれば、もっとパフォーマンスが上がるはず

というのは、注意が必要かと思うのです。

 

 

さてさて、長くなりましたが、

いかがでしたでしょうか?

 

 

 

アートマイム公演   次回は8月22日(月)

『マイミクロスコープ 〜夜のアートマイム劇場〜』

 

 

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