マンガには擬音がたくさん出てきますよね?
擬音は普通の活字で書かれていましても、質感を伝えられますけれど、
やはり、デザイン化されたものは強力です。
マンガでは擬音そのものを絵にしていますよね。
ところで、
ある擬音の持つイメージと、それをデザイン化したものとのイメージがかけ離れていますと、
大きな違和感を覚えると思うんですね。
「ふわぁ~」というのが、角張った字体だったとしたら、
「ふわぁ~」なのか「がちっ」なのか、どっちなんだぁ!
ですよね(笑)
では、例えば、
「ふわぁ~」とした気持ちを、体で表現する。
あなたでしたらどんな動きで表現しますか?
上手く出来そうですか?
もしそれを全身で表しましょうとなったら、どうですか?
結構、難しいと思うんですよ。
いくら気持ちでは「ふわぁ~」だと思っていても、
体のほうは「がちっ」だったり「ぬめぇ~」だったり・・・
もし舞台上でそんなことに気づかずにやっていると、
観客はあなたの表そうとしている気持ちを掴みかねてしまいますよね?
私が気持ちを優先させないように言うのは、こういうことなんです。
気持ちでは、体は的確に動かせない。それは当たり前に誰にでも起こるんです。
漫画家が「ふわぁ~」という擬音を「がちっ」としか描けないとしたら、
きっと練習してそれらしく描けるようにすると思うんですね。
決して、もっと「ふわぁ~」という気持ちで、というのではなく、技術を高める。
それと同じことが、演技(特に身体演技)でも必要なんです。身体技術を高める。
ところが、ここのところはなかなか理解が難しいようです。
どうも、こういうことを
形から入るのは良くない!
と捉えてしまう。。。
本当にこれは「形から入る」ということでしょうか?
体に対して無意識になることが良いことだと考えているのかもしれませんけれど、
それは本番では、体に任せることが必要ということだと思うんですね。
言い換えますと、
任せられるだけの体を稽古で作っていく必要があるということなんです。
そうやって、初めて体に対して無意識でいられるんです。
(無意識が良いとは思いません。2割3割は意識を残しておく必要があると思います。)
もし、仮に形の稽古が良くないとしても、
形をきちんと作るというのは、体を思ったようにコントロ-ルする力が身につくわけですから、
上手につき合うと良いと思うんです。
漫画家が自分の描く擬音が、良い感じかどうかを見極めようとしているように、
私たちのように演技する者も、自分の動きを見極めていきたいですね。
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!