フラメンコの先生の個人レッスン、今回からは本番で踊る振りの動きを具体的に指導。
えっ！？
フラメンコの振り？？？
って、思われるかもしれませんよね（笑）
もちろん、振り付けそのものを考えるということではありませんよ。
振りに沿って、その動きの質を高めていくということです。
この方、先生であるにもかかわらず、踊りの質を高めようと、
フラメンコの経験の無い私に、ここまで任せていただけるというのは私としては光栄ですし、
この先生の向上心と、つまらないプライドに捕われないところを見習わねば、ですね。
さて、レッスンの方ですが、
過去に何度か踊られたことのあるもので、
久し振りに踊ることになったとのことで、
まずは、その以前踊られたときの映像を拝見。
いろいろと見えてくるものがありました。
フラメンコは非常に力強く情熱的な踊りです。
ですが、
気持ちだけ情熱的になってしまいますと、
身体と気持ちの空回り感が強くなってしまいます。
大地（下方）に向かう強さが要（かなめ）
だと思います。
かといって、踏ん張るようなことをしてしまっては、
あの華麗で力強いステップは踏めなくなります。
そこでまず、オープニングのポーズから、
その強さを生み出すべく足裏の荷重位置を作り込んでいきました。
（これは、単に足裏の重心位置の問題ではなく、
自然に骨盤が締まり、腹横筋類も締まり、中心軸が生まれるものです。）
やはり、これだけで立ち姿の印象が、大きく変わりました。
ご本人も、
「おお、身体を使ってる！」
という感想とともに、
「ああ、この感じでずっと踊れたらいいですね。」
と。
その後は、腕の使い方や呼吸のことなど、振りに合わせて、それこそ手取り足取り、
例えば、腕の場合は、必要な指を軽く引っ張るようなことをしながら、
肩関節や肩甲骨の側に手を添えるようにして、
エネルギーの流れる道筋を身体で感じてもらうようにしました。
これは非常に分かりやすいようで、
腕が長くなり体幹と手先がつながり、美しさが立ちのぼりました。
もちろん、ご本人も
「これかぁ」
と嬉しそうな笑みを浮かべながら、納得感を強く持っていただけました。
これらはもちろん、この方が常に意識することで身につけていかなければなりません。
正直なところ、良い状態を体感してもらうことは、そんなに難しいことではないんです。
特に、この方のように問題意識を持たれていて、且つ、経験豊富であればあるほど。
といいますのは、このような人は、どこかで良い状態を知っているんですね。
けれど、そこに辿り着く方法が見つからず、探し続けているんです。
それが、向上心ということになるのですね。
ですから、私の導く方法で体感できたときに「あっ、これだ！」と思えるわけです。
これは、私の自慢ではなく、私が同じように悩んできたということなんです。
私自身、美しく且つ、良い状態というものを表面的な形ではなく、
エネルギーの通る意味ある状態として（納得できるものとして）身につけることが、
容易には出来ず、、、随分と試行錯誤せざるを得なかったんです。
人体の構造を知ることは助けになりますけど、
知るだけで上手くいくようなら、誰も悩んだりしないんですよね。
指導の際に使われるお決まりの言葉、
例えば、「まっすぐに」「お腹に力を入れて」「引き上げて」「腕を長く」・・・など、
こういったことを何度言われても、出来ないものは出来ないんですよね。
それらを言葉通り受け止めてやろうとしますと、
力みにつながってしまったり、他が抜けてしまったり、
どうしても無理が生じてしまうんですよね。
言われたようにやっているつもりだけど、何か違う気がする・・・
そんなことありませんか？
私がそうでした（笑）
けれど、そんな道を経てきたからこそ、
何が本質として大事で、
どうしたらそこに行けるのか？
のアプローチもいろいろなパターンで分かりますし、
相手の方に合った方法をその場で思いつくことも多いんです。
実は、この先生は歌もされているとのことなのですが、
レッスンの中で取り上げた基本的な呼吸の扱い方を伝えたところ、
「これだと、声が出る気がする。」
と。
危うく、そのまま発声のレッスンになってしまいそうでした（笑）
呼吸も動きも本質を伝えていますから、
全てに通じるわけです。
というわけでして、私としましては、
似たような悩みを持たれている方のお手伝いをしたいと思うのです。
このフラメンコの先生が、このレッスンの内容をしっかり身につけることで、
その生徒さんたちも飛躍的に成長するでしょうし、それも嬉しいことです。
これからが楽しみです。
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ！
