フラメンコでは、
足を細かく強く踏み鳴らしながら、
腰の動きが連動することが大事なようですね。
今回、個人レッスンを申し込み下さった方は、
腰の動きがままならないとのことでした。
レッスンの模様を、ちょっと再現してみたいと思います。
まずは、腰の動きはおいておいて、足を踏み鳴らす動きをしてもらいました。
フラメンコの先生の指導としては、
足(甲?裏?)には力を入れないようにということと、
股関節から動くことが大事とのこと。
この方は、足に力が入ってしまうと。
股関節から動くようにしているけれど、速いステップでは遅れてしまうと。
腰は動かそうとするのだけど、ほとんど動かない。
私は、この方の説明から、
はじめ、腰の動きがメインで、足の踏み鳴らしは、それに追随する形なのかな?と思ったのですが、
腰の動きが特徴のフラ(フラダンス)も、実は腰を意図的に動かすわけではないので、
フラメンコも同じだろうと考えたんですね。
とはいえ、
今のままでは足を踏むことでは、腰の動きは生まれない。。。
その方の動きと、先生の指導の言葉を鑑みたところ、
足を踏む力を上手く生み出せていないのだろうと分析しました。
股関節から動くというのは、間違いないのですが、
そう意識してしまいますと、かえって動きが悪くなるんです。
肩を下げるということも、この方がおっしゃっていましたが、
肩も同じでして、それを意識してしまうことで、
肩周りに余計な緊張が生まれ(本人には気がつかないような)、やはり動きが悪くなる。
硬い印象を与えてしまうんですね。
そこで、股関節に意識を持って行かせないことで、股関節をフリーにさせると共に、
足(甲、裏)の力みを抜く方法をお伝えしました。
最初のうちは、戸惑われていましたけれど、別の動きを組み合わせることで、
徐々に感覚を掴めてきたようです。
そうすると、自然に腰が動き始めました。
もちろん、それを狙ってのことなのですけれど、
ご本人は自分の動きにびっくりすると共に、とても喜んでくださいます。
「こんなに(腰が)動いたことないです!」
「自然に動くんですね。」
「踏むというより、浸透するという感じなんですね。」
この足と腰の動きの他に、といいますか、それをさらに有効にするためもあって、
首と肩に関することも、ひとつアドバイスをお伝えしました。
(肩を下げるということにも、つながるものです。)
それによって、自然と引き上げが生じるとともに、首が長くなりました。
同時に、腕を上げる際に肩が上がらなくなり、首の長さが保てるようになりました。
レッスン前にくらべ、
力強い踏み込み、高い腰、伸びやかな上半身、しなやかな腰が実現できました。
発表会が近いとのことでしたが、
自分の踊りに希望を持てたと。
この感じで、本番までしっかり練習をやり込んでいきたいと、
強い意気込みを口にされました。
壁を乗り越えられる力が自分にはあるんだと思えると、力が沸いてきますよね。
この方の目の輝きに、私も、自分のことのうように嬉しさを感じます。