オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

イマジネーションと身体

最近、思うところがありまして、演技のレッスン方法が変わってきています。

「イメージをするのではなく、イメージされるように」

「イメージが身体から沸き上がるように」

演技する際の重要なポイントとしてこれまで、度々お話してきました。



これは、頭で考えることをイメージすることだと思ってしまうことへの戒めとしての言葉なんですね。

ですから、イメージしなくていい、イメージするな、ということではないんです。


むしろ、豊かなイマジネーションのもとで演技する必要があるんです。



で、ここで疑問が浮かぶと思うんですね。


否定される頭で考えるようなイメージと、

推奨されるイマジネーションとでは

何が違うのか?




ひと言でいうならば、


体感としてのイマジネーション。




この体感としてのイマジネーションで、ひとつ大きなポイントになりますのが、
以前にお話したことのあります

音。

擬音です。




そして同時に必要なものが、空間意識とでもいうような空気でありエネルギーなんですね。

けれど、これ、わけ分らないですよね(笑)


もう少しだけ分かりやすく言いますと、

自分の周りの空気(空間)に対する手触り感のことになります。


・・・・・・。



まぁ、、、何と言いましょうか、これがここで書く言葉だけで分かるようであれば、

誰も演技で苦労したりしないわけで、むしろ、だからこそ、学ぶ楽しさと価値があり、

そこに演技の奥深さを感じ取ることになるわけです。




さて、この空気(空間)に対する手触り感というものは、呼吸と密接なつながりがあるんですね。

ですから、もちろん擬音ともつながってきます。


結局、呼吸が大事という、よくある大雑把な話になってしまいそうですけれど、

今回「イマジネーションと身体」がテーマ。


少し具体例を元に進めてみますね。



例えば、子どものごっこ遊びでありそうな、飛行機のマネをするとしましょう。

あなたはどんな感じでやりますか?



両腕を広げてキーンッ!は、本当に子どもでもできますけれど、

まず何より、浮力感は大事です。胴体だけでなく、腕にも。

その浮力感を身体で出せるかどうか?

”浮く”ということがどういう感じのものか?

あなたのイマジネーションが身体に反映される必要があるんですね。



しかも、同じ”浮く”でも、

自分(人間)が浮いているのではなく、

飛行機(物体)として浮いていなくてはいけない。

さらに、漠然と浮いているのではなく、頭を先頭として進んでいる感じが必要。



どうですか?
これ、簡単そうで、意外に難しかったりするんですよ。

それなりにできてしまう人もいるとは思いますけれど、

こういった具体的なアドバイスが無ければ、

両腕を広げてキーンッ!のままだったりするものです。



で、もちろん、

これだけで終わりではないんですよ。



飛行機のマネをするといいましても、どんなシーン(雰囲気)として見せたいか?

これによって、随分と飛び方が変わってくるんですね。


例えば、臨場感を出すように、その飛行機に乗り込んでいるような感覚で飛ぶ。

あるいは、地上から見上げて、飛行機が高い高い空を横切っていくような感覚で飛ぶ。



何が違ってくると思います?


確かに、雰囲気は随分と違うだろうとは思われますでしょ?

でも、基本的には両腕を広げた飛行機のマネ・・・

雰囲気の違いが身体に現れてほしいんですね。


では、具体的にどんな違いを考えれば良いのか?



この2つ、まず飛行機の大きさが違います。

実際には同じ大きさの飛行機の設定だとしましても、です。

当然、前者の方が大きく、後者の方が小さい。


前者は自分自身が飛行機であるか、自分を覆うように機体があるか、といった感じですから、

飛行機のマネをしようとしている自分自身が大きくなる必要があります。

自分の身体が主役で飛んでいる空は脇役になる感じですね。

一方、後者はすごく小さい。広い広い空に小さな飛行機。そんな感じ。



音はどうでしょう?

前者はすごく大きい。後者はすごく小さい。



スピードは?

前者はスピード感が必要で、後者は止まっているんじゃないか?というくらいに遅い。




その他にも、青空なのか雨なのか?雲があるのか無いのか?飛行機雲を作っていくのか?

熱いのか寒いのか?などなど、いくらでもイメージは広げられると思いますけれど、

この辺りのことは、今はプラスアルファの要素としておいて下さい。


(気をつけて下さいね。これらプラスアルファのものをメインにイメージしてしまうと、

頭で考えるイメージになってきて、体感としてのイマジネーションから離れていきますよ。



さあ、2つの異なる雰囲気、うまく出せそうですか?


これらは、頭で考えながらやるわけではないんですね。

もちろん、信じ込むわけでもありません。


ただただ、その世界の中にいる。

間違いなく、そうであると。


それが体感としてのイマジネーションです。



イマジネーションとは、

映像の体感であり、

音の体感であり、

空気感の体感です。



それは変容とも言います。


「私が何かをする」のではなく、

「私ではなくなる」ことなのです。



・・・なんだか難しくなってしまいましたでしょうか?


でもこれ、遊び心なんですよ。

別の言い方では、

夢中になるということ。



さて、冒頭の「演技のレッスン方法が変わってきています。」ですけれど、

イマジネーションの身体化、つまり体感としてのイマジネーションの力を強化するレッスンの

重要性とその方法に気がつけたからなんですね。



身体の自由さ、美しさを得る訓練



体感としてのイマジネーションを豊かにする訓練



この2つの車輪が、

舞台に立つ人には大きな支えになると思いますし、

一般の方にも世界の豊かさを味わう力になると思います。



オーガニックマイムのオーガニックとは、「命」という意味。

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