オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

AさんとA’(ダッシュ)さん

舞台での(舞台に限らないとは思いますが)感情表現というのは、
普通は抵抗を感じると思うんです。
 
人前で、本当は感じてもいないことを、感じたふりをすることが、最も大きな要因かと。
 
もちろん、本当には感じていないことを、観客の側は分かってしまいますから、
表現の場では、
 
 
「思いを強く持つ」
 
「役になりきる」
 
 
といったことが、重要のように思われてしまうんですね。
 
 
で、これが、さらに演者を苦しめる。。。
 
 
 
そもそも、
 
思いを強く持つってどういうこと?


役になりきるってどういうこと?
 
 
これに、的確に答えてくれる人が、そうはいません。。。
 
 
 
 
先日の「自己整体真呼吸クラス」での”エモーショナル・ボディワーク”の際、
体験受講の方が多かったこともあり、こんなお話をしたんです。
 
 
 
 
AさんとA'(ダッシュ)さんがいるんです。
 
Aさんは感情(身体)としての自分で、
A'(ダッシュ)さんは脳としての自分です。
 
 
ですから、Aさんが身体で感じている(生み出している)感情を、
A'(ダッシュ)さんが認識するようになります。
 
それは、日常生活でも同じ。
 
ただ、私たちはAさんとA'(ダッシュ)さんを混同して、ひとりの自分と思っています。
 
そこで、表現の場では、A'(ダッシュ)さんがいてはいけない。
Aさんだけになるのが理想だという勘違いが起こるんです。
 
もちろん、なれるわけがありません。
 
大事なのは、Aさんがどれだけ感情としての身体になれるかどうか。
 
なので、”エモーショナル・ボディワーク”は、身体に働きかけるのです。
 
上手くいけばいくほど、A'(ダッシュ)さんがはっきりと現れてきます。
 
つまり、冷静な自分がいる状態になる。
 
ところが、先ほどのように、一般的にはA'(ダッシュ)さんがいてはいけないという勘違いがある。。。
 
けれど、実は、この状態のほうが、観客の側からは本当の感情に見えるんです。
 
A'(ダッシュ)さんは現実問題として、常にいるんです。
 
AさんとA'(ダッシュ)さんを一体化させようと頑張っていると、どうしたってAさんが弱くなります。
 
そうしますと、
観客からはA'(ダッシュ)さんが見えてしまう。
つまり、それは、感情ではなく、感情表現しようと頑張っているあなた。
 
 
人前での感情表現を嫌だなと思うのは、実はとても正直なこと。
 
 
なぜなら、A'(ダッシュ)さんがきちんと、Aさんがまだ感情になれていないことを分かっているから。
つまり、嘘の感情だと分かっているから。
 
そこに蓋をして、A'(ダッシュ)さんがAさんを押さえ込んでしまうのが、頑張っている演技。
 
観客は自身の身体で、演者の身体を感じています。
 
ですから、Aさんが貧弱なことは、分かってしまうんです。A'(ダッシュ)さんが見えてしまうんです。
 
ところが、Aさんが強力ですと、不思議とA'(ダッシュ)さんは見えなくなります。
 
 
 
 
ここまでは、ご理解いただけましたでしょうか?
 
参加者の方からの質問もあり、さらにこんなお話を。
 
 
 
 
AさんとA'(ダッシュ)さんが一緒になってはいけない。
 
なってしまったら、かなり危ない。
 
病院に行ったほうがいいかもしれない。
 
一緒になっているのは、赤ちゃんとか動物です。
 
A'(ダッシュ)さんがいるから、
舞台上で他の人がどこにいるとか、演技のタイミングなどを図れるのです。
 
赤ちゃんとか動物は、そういったことは気にしません。
 
 
 
 
いかがでしたでしょうか?
 
他にも、A'(ダッシュ)さんによって、身体のポジション(形)をより良いものにできていけると、
身体演技になるというお話もしました。
 
Aさんのままで、A'(ダッシュ)さんによるその働きがないものは、普通の演技ということ。
 
(実のところは、Aさんが本当に感情になっているきは、身体に漏れがないので、
身体演技ではあるのです。。)
 
 
 
参加者の皆さん、”エモーショナル・ボディワーク”での体感と相まって、
深く納得されていたようです。
 
もちろん、表現としてはまだ入り口ですけれど、入り口を入れれば、あとは進むだけですよね。
 
 
多くの方は、入り口の存在すら知る機会がない。

あるいは、それを入り口と認めない。
 
 
もちろん、入り口と認めなくても、別のところから辿り着くこともあるとは思います。
 
ただ、辿り着くところは同じだと思っています。
 
 
以前、女優の大竹しのぶが言っていました。
 
「出番直前まで、まるっきりのリラックス状態で軽口を楽しんでいられるのは、舞台に出れば身体が変わるから大丈夫」
 
なんだと。
 
 
 
最後に。
 
AさんとA'(ダッシュ)さんが一体化するかしないかの、ぎりぎりのところを歩くのが、
理想だと思っています。
 
 
 
 
          5月14日 『JIDAIソロ作品上演』

               https://www.facebook.com/events/1641657376066921/

 
 
 
  5月28日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く 第5回』

            https://www.facebook.com/events/443401172508180/
キャンセル出ましたので、ぜひ!


                  
         5月29日 『丹田・軸・脱力 開発ワーク』

            https://www.facebook.com/events/906730236046611/



   6月14日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く 第6回』

            https://www.facebook.com/events/822152811195257/


 



  7月開講 『アートマイム塾〜シアターカイ本物の俳優修業シリーズ〜』

                https://www.facebook.com/events/805278032881101/
 
 
 
 
 
 
Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!
 
 
 
 
マイムから心と身体の平和を


ホームページ http://jidai9.wix.com/jidai
 
 
 
 
 
 
 
 
Twitter  ORGANIC_JIDAI

 
 
日本アートマイム協会
 
ホームページ http://jidai9.wix.com/artmime