立派な動機、高尚な想いをもって
作品をつくり、演じたとして、
それが、作品としてどうか？とは、全く別ものだとしませんと、
おかしな評価になってしまいます。
それには、
作品のつくり（構成など）と、
演じ方を分けて考える必要があります。
私は自分の生徒に、言います。
「作品を、演技力で何とかしようとするな！」
別の言い方では
「作品の出来の悪さを、演技力不足だと考えてはいけない！」
私のクラスでは、2年ほど前から半年に一度のペースで、
クラス内発表会を行なっています。
（それまでは、5~6年続けたでしょうか？試演会と称しまして、
外部のお客さんに観ていただく形で、
クラス生が自分の作品を発表する機会を作っていました。）
クラス内発表会は、作品のつくり方を学ぶ機会。
（外部向けに行なってしまいますと、
どうしても表面的な個性を活かす方向へ行ってしまったり、
演技力・技術力優位で作ってしまいます。）
作品をつくるというのは、日頃の演技・技術力を学ぶこととは、
全く違うんですね。
いろいろと考えなければいけないことはあるのですが、
結局のところ、
伝わるかどうか？
です。
理解してもらえるかどうか？ではありません。
作品として観ている人の心に波が起きるかどうか？です。
で、ここで問題になるのが、
冒頭のことなんですね。
役者でも踊り手でも、演者はどうしても
意気込みを重視しがちです。
もちろん、不要ではないのですけど、
表現というのは、演じ手の意欲を伝えるのではなく、
舞台上の人物として表現することが重要なんです。
意欲を表現へと昇華
させなければいけないということです。
けれど、
ここが間違いの起こりやすいところでして、
観る人の中には、
演じ手の意欲が現れることが、
表現力だと思ってしまったり、
演じ手自身では、
意欲が漏れ出てしまい、
表現内容を覆い隠していることに気がつかなかったりするんです。
この意欲の方に目が行ってしまいますと
作品そのものへの目は、薄れてしまいます。
では、作品そのものとは何か？ですけれど、
内容・テーマなどは薄かろうと素晴らしかろうと、
それはさておき、構成力といえます。
構成力とは、分かりやすく言いますと、
演技・技術力のない人が演じても、
観ている人の心に届くようにする力でして、
どんなシーンを、どう展開させるか？
どこに立って、どっちを向くか？
といったことですね。
（音楽・効果音・照明などは、基本、二の次です。）
たとえ、立派な動機、高尚な想いをもって
作品をつくり、演じたとしましても、
構成として上手くいっていなかったり、
意欲が漏れ出る演技、あるいは稚拙な技術力では、
その立派な動機、高尚な想いが、作品から伝わるのではなく、
パンフレットや公演前後に語られる
演じ手、作者の言葉から伝わるだけになってしまいます。
演じ手が未熟でも、見やすい作品はあります。
見やすい作品でも、内容の薄い・濃いがあります。
演じ手が素晴らしくても、作品力のないものはあります。
演じ手の意欲ばかりで、作品力のないものもあります。
どんなに立派な動機、高尚な想いであっても
作品として昇華されているかどうか？
作り手も、観る側も、そこへの目は大事ではないでしょうか？
募集中
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【アートマイム塾】
来年６月のシアターXでの『国際舞台芸術祭（仮称）』への参加（グループ作品）
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公演
５月３１日 夜9時開演〜10時
『マイミクロスコープ
〜夜のアートマイム劇場〜』
※ 以前の作品『アンドロイド』の写真です。
ワークショップ
４月２７日
『心と体がひとつになる呼吸
〜息をすることとの違いから心技体の一体化まで〜』
４月３０日
『呼吸と表現』
レッスン
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ！
