演技で大事なことは、
動かされるように、動くこと。
いい演技とは、
身体の動きが見えないこと。
内面の動きが見えること。
身体の動きを小さくすることとは、
全く違いますので、注意が必要。
小さく動いても、
大きく見えないといけませんし、
大きく動いても、
小さく見えなければなりません。
演技の動きは、
このどちらか。
内的なエネルギーによって動く。
外的なエネルギーによって動かされる。
(本当は、“どちらでもあるように”
なのですが、まずは分けて考えます。)
内的なエネルギーとは、意思。
外的なエネルギーとは、自分の意思ではないもの。
(「ぶつかられてよろめく」「驚いて肩が上がる」など)
一見、当たり前のように思われるかもしれません。
けれど、
多くの人が、いえ、ほとんどの人が、
どちらでもない形で動いているんです。
意思と動きを
直結させてしまっているんですね。
身体は物体ですから、
物理的なエネルギーが働かない限り動けませんよね?
では、
意思の働きとは、物理的なエネルギーでしょうか?
そうではありませんね。
思考に過ぎませんから、どれだけ意思を強く働かせても、
速く走れるわけではありません。
空を飛べるわけでもありません。
同じように、
意思の働きだけでは、
振り向くこともできません。
物を取りに行くこともできません。
意思の働きでは、空は飛べないなんて当たり前
と思っている一方で、
振り向くことが出来ないわけがない
と思ってしまっているんです。
意思の働きで振り向いている
と思ってしまっているんです。
つづく…