バレエをされている方がこんなお話をされていました。
「バレエに限らないけれど、
クロストレーニングに目が向いていない」
クロストレーニングといいますのは、
自分の専門以外の、別の分野のトレーニングを行うことで、
より高いパフォーマンスや、ケガ防止などを目指すものです。
どこまでが、専門以外・別分野になるのか、厳密なことは分かりませんけれど、
バレエの方でピラティスを取り入れている方は、多いように思います。
ヨガはどうでしょ?
ピラティス、ヨガはバレエに限らず、取り入れている人は多いでしょうね。
さて、私の考えでは、ピラティス、ヨガを取り入れることは
クロストレーニングとはちょっと違います。
それは、やはり筋トレ・ストレッチの延長線上であって
(本格的にされている方の中には、違った考えもあると思います。)
特殊な技術を学ぶものではないからなんです。
特殊な技術といいますのは、その分野・競技特有の技術でして、
バレエから見た場合は、
野球・柔道などでの投げる、テニス・ボクシングなどでの打つ、走る、泳ぐなど。
つまり、一見すると全く役に立たない感じのものですね。
そんなことを取り入れる理由のひとつには、
自分の専門に関係するものだけをしていますと、
どうしても身体に偏りが出てしまいます。
そのため、ケガをしやすくなってしまうんですね。
と同時に、
専門だけではまかないきれない神経が発達し、
自分の専門の身体の使い方が洗練されます。
さて、理由のもうひとつ。
こちらが実のところ、とても大きいのですけど、
自分の専門では経験できない身体の使い方をすることで、
身体自身が持つ創造性が育まれるのですね。
これは、本当に重要。
なので、もう一度…
身体自身が持つ創造性が育まれる!!!
自分の専門だけ、どれだけ特化しても
他のことを知らなければ、その分野限定のマシーンみたいなものです。
純粋といえば、聞こえがいいですけれど、
表現分野であれば、模範演技はできるけれど、面白くないとか、
競技分野であれば、相手に全て見透かされてしまうとか、
ではないでしょうか?
そして、創造性のためにいくら知識を仕入れても、
身体が知っていなければ、「生兵法ケガのもと」です。
付け焼刃です。
身体が自然と反応して、
専門外の動きが出るようになって初めて
創造性に結びついてくるんですね。
ですから、私のレッスンでは
『動作塾』での「走り」「競歩」「パンチ・突き」「蹴り」「投げる」「スイング・打つ」や
刀のワーク、声のワーク、原始歩き、古武術的ワークなど
本格的に行なっています。
そして、ここはとても大事なのですけど、
このような専門と一見、関係のないワークを、
何かの作品のために、必要に応じて学ぶというのではなく、
身体の使い方の土台として、日頃継続して行なっておくことなんです。
別の言い方をしますと、
そういったワークは特殊技術として見せるためではなく、隠す…
自分の身体に融合させることに意味があるわけです。
さて、創造性につながるクロストレーニング。
そもそも、専門と一見関係ないものを、大事だと思って取り入れようと
思えるかどうか…
それは、頭の柔らかさにつながっていると思いませんか?
頭の固い人が、創造性を発揮するのは難しいでしょうし、
身体そのものも固い使い方で、融通が利かないでしょう。
まずは、とにもかくにもクロストレーニングに目を向けることから
始めてみてはどうでしょうか?
募集中
シアターX(カイ)本物の俳優修業シリーズ
【アートマイム塾】
来年6月のシアターXでの『国際舞台芸術祭(仮称)』への参加(グループ作品)
を目指してもらいます。4月から作品稽古になります。
ご参加お待ちしております。
公演
5月31日 夜9時開演〜10時
『マイミクロスコープ
〜夜のアートマイム劇場〜』
※ 以前の作品『アンドロイド』の写真です。
ワークショップ
4月15日
『自分の音と呼吸に触れる』
4月20日
『美しい脚と歩き方』
4月23日
『刀の扱いから、
身体の使い方とエネルギーの伝わりを学ぶ』
4月27日
『心と体がひとつになる呼吸
〜息をすることとの違いから心技体の一体化まで〜』
4月30日
『呼吸と表現』
レッスン
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ!