オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

表現力って、どうしたら上げられるの?

いわゆる身体表現はもちろん、一般的なお芝居でも、歌でも演奏でも、
身体感性(私の造語ですけど)に着目すると、表現力アップになるのではないか、というお話です。



身体という言葉がなく、ただ感性といいますと、心の感受性、センスといったように、
あまりに抽象的になり過ぎてしまい、
「日常生活の中で様々なことを繊細に感じ取りましょう」
「映画や音楽、絵画など芸術に触れる機会を多くつくりましょう
のようになってしまいます。




けれど、

表現者としてこれらの経験を本当に活かせるかどうかは、

何とも言えません。






といいますのは、表現するにあたって大事なことは、



身体を通して表現されているかどうか?



だからです。





えっ?? そんなこと当たり前じゃないの?と思われるかもしれませんけれど、
いろいろと見聞きしていても、頭の中で完結してしまい、身体に現れてこない人は多いんです。
そうなりますと、批評はできても表現はできないとなってしまいます。



そして、見落としがちといいますか、勘違いされがちなのが、
身体を通して表現することと、身体を使って表現することとは異なるということなんです。



ちょっと「???」ですよね。




身体を通して表現することと、

身体を使って表現することとは

違う???





もちろん、どんなものでも身体は使うんですよ。
けれど、身体を使って表現すれば、身体を通して表現できているのか?といえば、
そうとはいえない。





マイムに限らず、表現の世界にいますと、「〜のように」という、
例えば「風のように」「猫のように」といったイメージを使うことが多くありますでしょ?



この「〜のように」を、頭の中で考えて、
イメージしながら身体を使えばいいように思えますけれど、
そうではないんですね。



それは、身体が硬いとか、技術がまだ無いといったことで、
上手く表現出来ないといったこととは、あまり関係なくてですね、
むしろ一見、上手に表現しているほうが問題が大きかったりするんです。




どういうことか?





ここで、身体感性を育てることの重要性が出てくるのですけど、最初に申しましたように、
多くの人が「〜のように」を頭の中で完結させてしまうという間違いをしてしまい、
その頭の中で完結されてしまったイメージを抱きながら、
身体を使って表現しているだけ
(というよりも、身体を動かしているだけ)
になってしまうんです。




みなさん一度は経験・・・自分で表現するでも、人の表現を観るでも、
あるのではないかと思うのですが、痛々しさを感じてしまう表現。


前回のお話です。






イメージが頭の中で完結してしまっていますから、
身体が何を感じているか(どんな表現をしているか)という身体の声が、
表現者本人の頭に届かない(認識されない)。




また、いけないことに、この身体の本当の声を聞いてしまうと、
表現できていないことに気がついてしまうために、自ら耳を閉ざしてしまい、
ひたすらイメージを強く持って、身体や顔に力を入れたり、より大きく動いたり、
目にばかり力をこめたり、声(セリフ)を張り上げたり・・・ということをしてしまう。



そうやって、そのうち、そうすることが良いことだと信じてしまい、
耳を閉ざしていることにすら気がつかなくなってしまう。。。




もちろん、それはそれで大きな熱量となって、そういった表現に心打たれる人も多く、
受け手の側は「生きるエネルギーをもらった」となります。
素晴らしいことだと思います。



けれど、それはそれ。



私の目指す、提唱する表現は、
表現者のそういった個人的頑張り感エネルギーではなく、
表現内容そのものエネルギーに目を向けることにあります。




で、先ほど、
「むしろ一見、上手に表現しているほうが問題が大きかったりする」と申しましたけれど、
それは、身体がすごくよく動けていたり、個人的頑張り感エネルギーが強かったりすることを、
上手だと思うことが多いということです。



(ちなみに、ここでいう上手とは、小器用という上手ではなく、表現内容そのものエネルギーがしっかりしているということです。)



個人的頑張り感エネルギーの強さを、表現内容そのものエネルギーの大きさだと
勘違いしてしまうことが、多くあるんです。





ああ、耳が痛いなぁ・・・と思われている方もいらっしゃると思います。




そうですよね、分かります。
私だって、そうです。


以前の私は、そういった身体の声に耳を閉ざしてまで、
人前で表現しようという頑張りを持てませんでした。


だからこそ、どうしたら身体の声と実際の身体の動きが一致するのかを、探ってきたわけで、その成果を少しでも、昔の私のような悩みを抱えている人に届けばいいなと、思っているんです。




あの時の私が、この記事を読んで、飛び込めるかどうかは分かりません。
悩みが解決できるのでは?という期待と、一方で自分のダメさ加減が露わになる恐さと・・・





さて、身体感性です!



今回ずっとお話してきましたお話の要点は、

イメージが頭の中で完結してしまい、身体の声が届いていないことが、

表現の妨げになっている

ということです。





ですから、

逆のルートを辿りましょう


というのが、身体感性を育てるということなんです。






つまり、身体の声からイメージを創り上げる!





身体が何を感じているかという身体の声を出発点として、
そこから沸いてくるイメージを大事にするということです。



それは、変な言い方になりますけど、既に表現できていることを認識する作業でもあります。



自分の身体が表現できてしまっていることを、表現として使うわけですから、
どこにも矛盾は生じません。



そういった身体の状態と認識力・イメージ力を、生み出せるようにしましょうというのが、
身体感性を育てるということであり、生み出せるものがいろいろと幅広ければ、
身体感性が豊かであるといえるわけです。



それは、すなわち表現力があるということ。





前回のワークショップで、ほとんどの方が



イメージが変われば身体が変わり、

身体が変わればイメージが変わる



ということを、しっかりと味わえていました。





そして、それがとても新鮮な出来事であると同時に、楽しい出来事であると。


なぜ、楽しいか?



本当にイメージの世界を味わえているからです。
嘘のない、本当(虚構でありながら本当)の世界、時間を味わい続けられるからです。




これが


「表現の場で、瞬間瞬間を生きる」


ということでもあります。




身体感性を育てませんか?







   9月18日 『マイミクロスコープ 〜夜のアートマイム劇場〜』

                新作 「淵」

                https://www.facebook.com/events/991623650870332/


      

   

   9月17日 『エモーショナル・ボディワーク 〜感情と身体〜』

                 https://www.facebook.com/events/152109571788982/



  
          9月22日 『顔呼吸・丹田呼吸ワーク』

                 https://www.facebook.com/events/877292338974159/





       9月23日 『身体瞑想〜身体を使う人のために〜』

                 https://www.facebook.com/events/494546544061152/




  10月8日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く 第12回』

                 https://www.facebook.com/events/806382676126766/




      10月4日 『身体感性を育てる〜身体と想像力〜

                 https://www.facebook.com/events/697397900360960/




  10月18日 『声(音)を体に響かせる〜身体感覚を磨く 第13回』

                 https://www.facebook.com/events/963932987010054/




  10月30日 『表現者のための呼吸 心と身体のワークショップ

                 https://www.facebook.com/events/721994864595198/





Body,Mind&Spirit 本当の自分の身体は天才だ!







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