オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

動きの美しさの秘密〜音の曲線〜

動きの美しさを考えるとき、
 
 
まずは、身体の形・ポジションの美しさだと思いますけれど、
もうひとつ重要なことがあるんです。

 

 

 
役者にもリズム感が大事だといわれる、そのリズム感にも通じるものです。

 

 

 

形・ポジションの美しさというのは、目で見て測ることのできる美しさ。
写真で撮ったときの美しさと考えると、分かりやすいですね。

 

 

もう一方の美しさは、目には見えない尺度で測る美しさ。
時間と空間を必要とするために、写真には現れにくい美しさなんです。
(現れないということではありません)

 

 

 

 

私の個人的な言葉に置き換えますと、

 

 
 
音を目で見たときの美しさ

 

 
 
ということになります。

 

 
 
 
 
 
音を目で見る???

 

 

 
・・・そんな難しいお話ではありません(笑)

 

 

 

 
 

 

例えば、太鼓を叩いて、その音が消えるまでって

 

どぉっ!!!~~~~~

 

 

といった感じですよね?

 

 

 

 
この音(音量)、時間軸に沿って曲線で表せますでしょ?

 

大きな高い山があって、急激に下がって、緩やかにゼロになっていく。
そんな曲線。

 

 
 

 

この目に見えない曲線の美しさに、気を留めてみると、見えてくるものがあるのです。

 

 

 

 

例えば、手を伸ばす、右から左に移動するといったような、
実際には音の出ない「動き」・・形ではなく「動き」に、
この目に見えない音の曲線を感じさせる要素があるからです。

 

 

 

ですから、もちろん、オーガニックマイム(JIDAIによるアートマイム)の場合、
この音の扱いがとても重要になります。

 

 

 

 

この耳には聞こえない音を扱う感覚は、体感覚のひとつになると思いますが、
アニメ(CGも含めて)では、この感覚が重要になります。

 

 

 

ディズニーや宮崎駿が、どうしてあんなにも魅力的かといえば、

人物やモノの動きに、この音の曲線感覚、耳には聞こえない音を、
高度に使いこなしているからだと、
私は思っています。

 

 

 
 
 
簡単にいえば、心地よいリズムで動いてくれている。

 

デフォルメしてあっても、嘘がない。

 

観る人の体感覚に沿っているんですね。

 

 

 

 

ところで、先日、デザイナーの山中俊治が、こんなツイートをしていました。

 

 

 
 
「微小重力の元で機能する構造物のデザインを真面目に考えて行くと、

私たちの美的感覚がいかに重力と流体力学に支配されているかがよくわかる。」

 

 

 

 
 
氏は、構造物について語られていますけれど、
これは、今回のお話の、動きの美しさにもつながると思うんです。
 
特に、流体力学ですね。

 

 
 
学問として流体力学は知らずとも(私も分かりません 笑)、
音の曲線を流体として見てみますと、
音の曲線を複雑にしても、どうしたら美しさを保てるかというのは、
分かりやすいのではないでしょうか?

 

 

 

それは、スムーズさだけでなく、
ときに打ち破る、不意をついて別の音がぶつかってくるようなものまで含めてということになります。

 

 

 
 
 
動きの美しさを考えたとき、
 
その動きに内在している音、その音の曲線に思いを馳せることができると、
 
演じ手としては、表現力が変わってきます。

 

 
 
 
ダンスは、芝居とは違い、その音の曲線を、具体的な意味のある動作ではなく、
ただただ、その変化の多様性で見せていきます。

 

 
一方、芝居は、その音の曲線を、具体的な意味のある動作で表す必要があります。
これが、冒頭でいいましたように、役者にとってのリズム感につながります。

 

 

 
 
アニメやCGでは、
この役者のリズム感を、制作者(アニメーター?)が、意識的に作り上げています。

 

 

私のマイムは、その意味では、このアニメやCGのようなものです。

 

 
 
 
よくありますが、
芝居で自分の思いを重視し過ぎた動きをしますと、
音の曲線に美しさが出ず(不調和となり)、
観ている人に違和感を覚えさせることになります。

 

 

 
 
 
ちなみに、「間(ま)」といいますのは、
 
この音の曲線のひとつ
 
だと、私は考えています。
 
 
音のない時間、無音という音の曲線です。

 

 
 
 
 
ですから、それは、その前後の音の曲線の間に存在し、
前の音の曲線と後ろの音の曲線を、どうつなぐのか?という、
隠れた音の曲線ともいえます。

 

 
 
この無音という音の曲線も、ひとは音の曲線と同様、無意識レベルで感じ取り、
さらに予測までしています。

 

 
自分で良い間を作るのは難しくても、他人の間の良し悪しは、分かりますよね。

 

 
 

 

 

音(無音も含めて)の曲線は、誰もが素直な正しい曲線を予測できてしまう。
 
 
だからこそ、その予測を上手に裏切ることで、
ハッとさせたりといった、面白さが出せるわけですが、
やはり、あくまでその前提として、素直な正しい曲線があります。

 

 

 

 

私たちマイムの演じ手として恐いのは、
 
具体的な意味ある動きをする、
つまりそれは、その音の曲線の正解を観客全員が知っているということで、
 
そんな中、セリフがない分、
演じる自分の動きの音の曲線が直に、観客に届いてしまうことなんです。

 

 
 
すなわち、間違いがばれる! 

 

 
 
動きのリズムに違和感が生じやすいんです。

 

 
 
 
セリフがありますと、その意味内容によって、音の曲線に霞がかかります。
多少の動きのリズムの違和感は、セリフによってカバーできる。

 

 
 
ダンスの場合は、具体的な意味のある動きではないので、
観客にとって正解は無いようなもの。
 
観客にとっては、ダンサーの出した(耳には聞こえない)音が正解なんだ、
として一旦受けれることが前提ということ。

 

 

マイムは、そういうわけにはいかないということなんです。

 

 

 
一方で、マイムでは演じ手の出す音が観ている人に、具体的な意味を持って体感覚に届くので、
 
演劇やダンスとは違った、表現効果が期待できるということになります。

 

 

 
 

 

極端にいいますね。

 

演劇では、具体的な意味が言葉によって頭に届けられる。
ダンスは、意味を持たない音をリズムとして体に届ける。


マイムは、具体的な意味を体に届ける。耳には聞こえない音で。

 

 

アートマイム、オーガニックマイムがジェスチャーではない、大きな理由でもありますね。

 

 

 
 
ちょっとお話がそれますが、バレエやモダンの表現力というものを、
具体的な意味を耳には聞こえない音として見せる、そのことに思いを馳せることができますと、
違ってくると思います。
内面が立ち上ってきます。

 

 

 

 

いずれにしましても、動きの美しさには、身体の形・ポジションの美しさだけでなく、
動きの持っている音、その音を目で見ているような美しさがあるということ。

 

 

時間と空間が、目には見えない美しい音の曲線で埋められていく・・・想像してみませんか?

 

 

 
 
 
 
 
         9月19日
       

      『マイミクロスコープ 

     〜夜のアートマイム劇場〜』

         

 

 
             7月10日 『動作塾

           (足捌き・フットワークと打つ・投げるの連動性)

                 https://www.facebook.com/events/469241386609064/

 

      7月10日 『原始歩き同好会』(アーシング・スタイル)            
              https://www.facebook.com/events/1008132402573289/
 
 
 
 
 
         7月18日 『リラックスとエネルギー

          (発声、響声、響音と身体表現の関係から探る)

               https://www.facebook.com/events/265065967204651/

 
 
 
 
          7月17日 『動作塾 特別講座

        (刀の扱いから、身体の使い方とエネルギーの伝わり方を学ぶ)
                
                 https://www.facebook.com/events/463087577230400/
 

           7月21日
                 https://www.facebook.com/events/1917151228511694/
 
 
 
 
    7月29日 『エモーショナル・ボディワーク〜感情と身体〜』
                
              https://www.facebook.com/events/532901093576351/

 
 
 
 
   8月7日 『声(音)を身体に響かせる〜自分の内を外へ広げる
                                          
                (ホールにて)

                 https://www.facebook.com/events/1551522401809300/

 
 
 
 
 
        8月21日 『リラックスとエネルギー

         (発声・響声・響音と身体表現の関係から探る)

               https://www.facebook.com/events/609199012592139/



 
          8月25日 『第三の道 張力

         (四足歩行を通して身体の使い方を見直す)

               https://www.facebook.com/events/234092753642844/
 
 
 
 
          8月28日 『脚を軽やかに

              (脚の脱力と浮き身)

               https://www.facebook.com/events/1558746261099199/



 
        8月30日 『ストレス・緊張に強くなる

             (頭・アゴ・首をゆるめる)

               https://www.facebook.com/events/650287095127497/
 
 
 
 
       8月31日 『全身に螺旋エネルギーを通す

            (ピッチング・サーブの動きから)

               https://www.facebook.com/events/1744674279104790/

 
 
 
 
 
 
 
Body,Mind&Spirit 

 本当の自分の身体は天才だ!

 
 
 
 
 
 
 
 
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