身体演技を身につけるにあたって、
身体が９割
内面は１割
そう思ってもいいくらいだと考えます。
ただし、内面を軽視するものではありません。
その９割にあたる身体を
活かすも殺すも、
１割の内面。
身体表現では、２つのタイプが見られます。
ひとつは
その（内面の）１割が無いために、身体演技にならず、身体運動表現になってしまうもの。
もうひとつは
内面の割合が高過ぎて、身体が置き去りになり、身体演技ではなく、ただの演技になってしまうもの。
運動神経のいい人や、身体の柔らかい人のように、身体的に優位な人は、
得てして運動になってしまうようです。
身体が動くから身体表現をしているのであって、
内面的に身体表現をしているわけではないという感じでしょうか？
このタイプは、他人の身体表現を見ても、基準が身体の運動面に置かれます。
あんな素敵な動きが出来るようになりたい、といったような感じですね。
一方、内面派は、ふつうは身体表現ではなくお芝居的なものに興味がいくことが多いと思います。
ですから、他人を見るポイントも、身体の運動面ではなく、
どれくらい気持ちが伝わってくるかになります。
極端にいいますと、
前者は、
他人の表現に対して、どんなに内面表現が素晴らしくても、
身体面・運動面に難があると、ガクッと評価が下がります。
逆に、身体面・運動面が素晴らしいと、内面表現はそれほど気にならなくなります。
後者は、
内面表現が素晴らしければ、身体面・運動面は大目に見ることが出来ます。
逆に、身体面・運動面が素晴らしくても、内面表現がそれほどでなければ、興味を惹かれない。
なかなか一人の人間の中に、これら両方の良いところを兼ね備えるというのは、難しいのですが、
少なくとも身体演技をしようとする以上は、気に掛けておきたいところです。
で、
なぜ、
身体が９割
内面は１割
なのか？
それは、内面の自由度に比べ、身体はとても不自由だからです。
柔軟性などの問題ではなく、動くということに、制限があり、難しいものだからです。
例えば、気持ちは軽やかでも、人から見て、軽やかさを感じさせるように動くことは、
容易ではありませんよね。
自分の身体という物理的なものを、把握し、思うように動かせるようにする必要があり、
それには、時間も労力もどうしたってかかってしまいます。
かなり地味な稽古の積み重ねになります。
料理でも楽器演奏でも書道でも、思い浮かべていただければ、簡単に納得いただけると思います。
そして、結局どの分野でも同じことだと思いますけれど、
気持ちだけでは、演奏の「え」の字にもなりませんが、
身体的なものを活かす内面を持っていなければ、「上手」というだけのものになってしまうのです。
身体で演技できるようになりたいと思うならば、心しておいたほうがいいと思います。
１１月２４日 『呼吸力 こきゅうぢから』
１2月１日 『間違わない体幹の鍛え方』
１２月１１日 『脚の無意識最適化と螺旋 ＜動作塾＞』
１2月１８日 『間違わない体幹の鍛え方』
１月１５日 『重心移動と肩甲骨 ＜動作塾 特別講座＞』
来年 １月２７日
『マイミクロスコープ
〜夜のアートマイム劇場〜』
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ！
