呼吸が出来ない状態では何をやっても仕方ない。
呼吸の練習をしても仕方ない。
呼吸が出来る状態を維持する力、能力を身につけることが、なにより重要！
と、冒頭から過激な発言となりました。
で、確かに過激は過激なのですが、重要なことだと、ここのところ認識を深めているために、
お話させていただきたいと思います。
（気を悪くされる方もいらっしゃるかもしれません。ご注意下さい。）
呼吸に関することは、私自身、過去にも多くお話してきていますし、
一般的にも多く取り上げられていますね。
私は、つい先日も
「だれでも息はしているけれど、呼吸は出来ていないように見えます。」
「（中略）「呼吸をして」と指導する人もいますが、
大事なのは呼吸を「する」ことではなく「通す」ことなのです。」
結論から申しますと、
間断なく「呼吸を通す」あるいは「エネルギーを通す」こと、
そして、そのエネルギー量を増強させることが最も重要なことと、位置づける必要があるのです。
息をするというのは、私の解釈では、単に生命を維持するために、誰もが行なっているもの。
呼吸の練習をしても仕方ないといいますのは、
もしそれが息をすることの延長線であるなら、１回の呼吸量が増えるというだけのことです。
（呼吸量が増えることは、それはそれで十分意味があることではあります。）
あるいは、それが、私の言うところの呼吸をする練習だとして、
それでも、それ単体では、本来の力は発揮されません。
「息をする」から「呼吸をする」に変わるだけです。
重要なことは、練習の場で、呼吸単体を取り出して、上手にできるかどうかではなく、
その呼吸が出来る状態を、どんなことをしていても維持し続ける力を養うことなのです。
私のようにマイムであれば、マイムをしている間、その呼吸が一瞬たりとも消えないことになります。
それは音楽であっても、スポーツであっても、同じことでしょう。
一般的には、それを集中力と捉えたりするように思いますが、そういった
抽象的な捉え方であるために、
集中力を生み出すこと、維持することが困難になる
のだと思います。
そして、呼吸が出来る状態を維持し続ける力を養うと共に、
呼吸（エネルギー）を通せるようにしていくことが求められるのです。
これは、
骨で動くことであり、
張力を活かすことであり、
全身が一つとなることでもあります。
たとえ呼吸を大事にしながら行なっているとしましても、
異なるのですが、それらのトレーニング、エクササイズも、
「どんなことをしていても呼吸が出来る状態を維持し続ける力を養うため」
として行なうとき、それはとても素晴らしいトレーニング、エクササイズになり得ます。
「呼吸（エネルギー）を通す」ためのトレーニングになっていないことはあると思いますが、
それでも、これまでとは全く質の違うものになります。
理想的には、
呼吸（エネルギー）を通すトレーニングと、
そのエネルギー量を増強させること、
通った呼吸（エネルギー）を動きや内面状態に関わらず維持し続ける訓練をしていくこと
だと考えています。
これまでの私は、このことに対する自覚が薄かった。
（自分自身の稽古では自覚的だったのですが、他者に語る言葉を持っていなかったという感じです。）
そのために、感覚的にキャッチできる人は、これだ！と思ってくれるのですが、
頭で考えてしまう人、理屈先行の人、世の空気に流されている人には、
うまく伝えることができませんでした。
それは、レッスンに通い続け、大きな効果、意味を感じ取っている生徒さんたちも同じでして、
ひとに勧めたいのだけど、どうにもうまく伝えられず、
「やれば分かるよ！」となってしまうか、
あるいは、実感していることを言葉にすると、なんだか宗教っぽくなってしまうからなぁ
という悩みを抱えていました。
これからは、違ってくるでしょう。
呼吸（エネルギー）を通すこと
エネルギー量を増強させること
通った呼吸（エネルギー）を、動き方や内面状態に関わらず維持し続けること
この3本柱、トライアングルが念頭にあれば、
どの部分（柱）を稽古していても、全てに繋がる訓練としての意味を持ち得ます。
多くの人に知っていただきたいですが、
まずは目の前の生徒さんたちに、強く自覚してもらうようにしたいと思います。
１１月２４日 『呼吸力 こきゅうぢから』
１2月１日 『間違わない体幹の鍛え方』
１２月１１日 『脚の無意識最適化と螺旋 ＜動作塾＞』
１2月１８日 『間違わない体幹の鍛え方』
１月１５日 『重心移動と肩甲骨 ＜動作塾 特別講座＞』
来年 １月２７日
『マイミクロスコープ
〜夜のアートマイム劇場〜』
Body,Mind&Spirit
本当の自分の身体は天才だ！
