「呼吸を通す」ことと「皮膚感覚を開く」ことは、
同義といってもいいのではないかと思います。
いずれにしても、こういった状態なくトレーニングをすると、
エゴの強化になってしまうと考えています。
少し前に、SNSで挙げた言葉です。
エゴの強化
といいますと、ちょっと穏やかでないと思われるかもしれませんよね。
私は、力みをイコール、エゴだと見ているんです。
同時に、過度の脱力も、エゴ。
それは、
力みも、過度の脱力も、「自分の押し出し」
だと考えるからなんです。
どちらも、不適切な力の入れ方。
必要分を感じ取れていないということ。
どうして、必要分を感じ取れないのか？
「自分」を基準にしているからですね。
「自分がする」ことへの執着
といってもいいかもしれません。
もちろん、私にしましても、力みや過度の脱力と全く無縁ではありません。
ですから、これは、自分に言い聞かせてもいる。
さて、冒頭の「トレーニングでエゴが強化される」ということ、
これは、ヨガでもピラティスでも、ラジオ体操でも、
ランニングでも、日常の歩きでも、家の掃除でも、
何にでもあてはまることです。
体を動かすたび、ほとんどの人が、エゴを強化してしまっているんです。
それは、取りも直さず、
体を動かすというのが、「自分がする」ものだから。
では、エゴを強化しないようにするにはどうしたらいいのか？
先に進む前に、今一度、確認してきましょう。
そもそもエゴの何が悪いのか？
答えは、シンプル。
不自然だからです。
不適切だからです。
そこで、重要になるのが、
「呼吸を通す」ことや「皮膚感覚を開く」ことなのです。
これは、簡単にいいますと
「自分がする」に受け身感覚を持ちましょうということです。
どうしても「自分がする」ばかりになって、
つまり、
どれくらい力を入れるか、抜くかばかりに意識が行ってしまうんですね。
そこを、
自分に何が起きているか、
受け取る力を働かせることに意識を向けましょうということなのです。
ですから、「呼吸を通す」というのは、呼吸をするということとは違います。
「皮膚感覚を開く」と同義だと言う理由があるのです。
「皮膚感覚を開く」とは、どういうことか？
あるクラス生の言葉を紹介しますね。
「身体の密度と周りの空気の密度が同じになるような」
私たちは、日常生活で様々なものから自分を防御するため、
知らず知らず、皮膚感覚を閉じています。
身体の密度と周りの空気の密度が異なる。
力んでいるとき、過度に脱力しているとき、
やはり、身体の密度と周りの空気の密度が異なっています。
トレーニングをする際、
力加減（力まないようにとか、脱力しようとか）を考える前に、
身体の密度と周りの空気の密度を同じにし続けることに
思いを馳せてみては、どうでしょう？
そのとき、呼吸は単に肺への空気の出入りではなく、
動きを導くエネルギーになり、
さらに物や相手に自分が浸透し一体化する力となります。
きのうまでやってきた同じトレーニングが
全く質の異なるものになりますよ。
