空間に対する意識・・・
どれだけ広く、遠くまで持てるか?
意識されたことはありますか?
何らかのボディワークを受けたり、
身体の使い方を学んでいる方は
多いと思いますが、
身体にばかり意識を向けていませんか?
表現者(音楽でも踊りでも演劇でも)の方も
自分のすること(動き)に意識を向け過ぎていませんか?
空間に対する意識のあり方は、
身体に意識を向けていたときには出来なかったことが、
いとも簡単に乗り越えてしまう力を持っているんですよ。
表現のパワーも、まるっきり違ってきます。
もちろん、存在感自体も。
私もレッスンのときには、ことあるごとに、
その感覚の違いを、体感してもらっているのですけど、
当たり前のものとして、身につくのは、
なかなか難しいようです。
ついつい、自分のほうばかりに意識が向いてしまうのは、
仕方ないとしても、
物理的に触ったり見えたりするものではないために
レッスンの場を離れ、自分ひとりの力で、
空間への意識を使えているのかどうか、
上手くいっているのかどうか、分かりづらいんでしょうね。
ところが、
実感しやすい方法があるんです!
それは、声です。
『声(音)を身体に響かせる』というワークショップを開催するようになって、
2年以上が経ちます。
受講下さる方は、声が出づらいからとか、何か面白そうだからとかあるのですけど、
歌など声の専門家(プロあるいは本格的にされている)もいらっしゃいます。
そんな専門家の方に多いのですが、
発声の際の身体(ノドなど)の使い方への意識が強いときと、
私が空間への意識の持ち方をアドバイスした後とでは、
まるっきり声が変わるんです。
声の響き方、持続時間・・・
ご本人が、その自分の違いに驚くほどです!
専門家だからこそ、より大きな驚きになるんでしょうね。
喜びで目がキラキラ!(笑)
(自分の発声に馴れていない方ですと、
周りの人はみんな、その変化に当たり前のように気がつくんですけど、
本人は、あまりよく分かっていなかったりしますね。)
で、身体への意識と空間への意識です。
(ボディワークでも表現でもスポーツでも)
できていないことを、できるようにしようとしているとき、
身体という自分でコントロールできるものに意識を向けるのは
ごく自然なことだとは思います。
けれど、声の例でも分かるように、
空間への意識を持つ、
それも、身体を動かしている(声を出している)最中に…
そうやって、
自分の身体から離れられると、
かえって上手くいく。
それは、例えば、
車や自転車を運転している時に、
ハンドルをどう操作するかに意識を向けているより、
行きたい(曲がりたい)方向、それも遠めを見ることを大事にしたほうが、
スムーズに進むのと、同じですね。
どうやって身体を使ったら上手くいくのか?
そのことに意識を向けていては、
越えられないものがあるんです。
身体の使い方を学ぶことは極めて重要なことですけれど、
同時に、身体から離れられることの重要性を知っていただければと思います。
特に表現者の方には、
「これ(空間)を学び取らなくては、本当は何も始まっていない」とさえ、
私は思うくらいです。
もともと、声のワークは、こういった意味合いもあって始めたのです。
でなければ、声を出さない身体表現の私が、声を重要視したりしません。
空間に対する意識・・・
どれだけ広く、遠くまで持てるか?
学んでみませんか?