オーガニックマイムJIDAI の「身体」「表現」考

オーガニックな身体の使い方、表現についてのいろいろ。時々、甘いもの。

「伝える」とは何も無い「間(あいだ)」に意味をもたせること

ずいぶんと間が空いてしまいました。。

ある依頼により「身体と感情」をテーマにした文章をずっと書いていたり、
先日の公演向けの新作づくりで、まとまったものを書く感じではなかったのですけど、
ひと段落つきました。



今回は、「伝える」をテーマにお話を進めようと思います。


先日の公演での公開レッスンで、
舞台に上がっていただいたみなさん(14名くらい)に、
こんなテーマに挑戦していただきました。


「床に一本の長い線が(真横に)引かれていることを表す」

その後、それをもとに

「その線を、小川にみたてて、表す」



みなさん、それぞれの発想で表して下さって、
想像もしていなかったようなやり方だったり、
非常に興味深いものがありました。


で、それはそれとして、アートマイム(オーガニックマイム)では
出来るだけシンプルに、必要最小限の動きで、且つ確実に表すことが重要ですので、
そういったことをお伝えしながら、最後の「小川」までやっていただいたんですね。



さて、この小川、自分の目の前を流れる小川を表現するに当たって、
とても重要なことがあります。


それが、今回の「伝える」ということになるのですが、
ジェスチャー的に伝えるのではなく、
アートマイム(オーガニックマイム)として、
観客の方に、その人自身が小川を見て感じているように導きたいのですね。


つまり、
説明をするのではない。


ジェスチャーは表面的には言葉を使わないだけで、あくまで説明なんです。

一般的なパントマイムが安っぽく見られるのは、この説明演技だからです。



説明ではなく、感覚に訴えるものにするために、
表現者は、この場合ですと
小川そのものになる必要があるんです。


自分自身が小川と、同化する。



ところがです!

ここからが大きな問題になってしまうんです。



といいますのは、小川になるだけではダメなんですね。

あくまで、自分の目の前を流れる小川を表現したい。

つまり、「何かを見ている人」+「 その何かとは、小川である」

を体現する必要があるのです。


何が違うのか?


小川になるだけですと、それは踊りになってしまう。
「見ている人」が表現されていなければ、
何やら、ウネウネ動いている人になってしまいますから、
観客からは、小川の絵は浮かんできません。


表現者は、見ているもの、目に映っているものに影響されて
小川になっていることを、表現することが重要なんですね。


勝手に小川(あるいは小川の気分)になっているのではない。



そうして、仮に「何かを見ている人」を体現したとしまして、
けれど、小川を表現する動きが、能動的に行なっているように見えてしまいますと、
それは、

「何かを見ながら、踊っている人」

になってしまうのです。



見ているもの、目に映っているものに影響されて小川になるわけですから、
能動的な動きとしてではなく、
本人が気がつかないところで、
小川の動きが出てきた感じになっている必要があるのです。



細々とした説明になってしまいましたね。


アートマイム(オーガニックマイム)では、「伝える」そして「伝わる」ことを
重視しています。


ですから、観客の方が、どう受け取るか?を最大限、気にかけます。


自分がその気になって動けば伝わる

・・・とは考えないのです。



受け手とのコミュニケーションです。


ただし、これが行き過ぎますと、自分の感覚を無視した
相手に迎合するだけのものになり、例えば、ジェスチャーのようになってしまう。
それは、最も避けたいことです。


この公開レッスンでの小川ですけれど、
舞台の大きさ、観客からの距離などによって、
演者は動きの大きさを変えるというお話もし、実演もしました。


歌や演奏でも同じですよね。


相手がいることを忘れない。

同時に、自分を大事にする。



私を見て!ではなく、
相手にただすり寄るのでもなく、


私と相手の間に、共有するものを浮かび上がらせる。


「間(あいだ)」

という、ある意味、何も無いところに、
一番意味を持たせるんですね。



「間(あいだ)」というのは、それ単独では存在しません。
私と相手がいて、初めて生まれるもの。

「間」に意味が生まれたとき、
私も相手も、自分が消える。

自分へのこだわりが消える。


「伝える」って、私はそういうことだと思っています。





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9月2日 

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9月3日 

9月3日 

『脚の無意識最適化と螺旋





9月10日
 

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9月17日 

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9月24日 

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